[I-P-004] 当院における純型肺動脈閉鎖の治療成績とカテーテル治療の役割
Keywords:純型肺動脈閉鎖, カテーテル治療, 類洞交通
背景:純型肺動脈閉鎖(PAIVS)は二心室修復(BVR)やFontan型修復(UVR)に到達するまでに手術やカテーテルインターベンション(CI)を複数回要するものがある。目的:当院のPAIVSの治療成績を振り返り、CIの役割を検討する。対象:2000年1月以降に初回心カテを実施したPAIVS15例。出生体重1612~3505g(中央値2543g)結果:(1)最終治療方針はBVR 6例、UVR 9例。出生時TVDはBVR 76~110%(中央値91)(TV z score -1.2~0.6、中央値-0.5)、UVR 29%~66%(中央値44)(TV z score -6.6~-1.9、中央値-4.3)、初回心カテ時右室拡張末期容積(RVEDV)はBVR 52~133%(中央値94)、UVR 12%~52%(中央値29)。UVR全例で類洞交通(SC)がみられた。(2)BVR群の初回治療は経皮的肺動脈弁形成術(PTPV)2例(ワイヤ穿孔1,RFワイヤ穿孔1)、Brock手術4例。Brock後にPTPV追加2例。Brock後にBT、PTA、コイル塞栓術追加1例。死亡1例(Brock後)。術後経過観察期間0.5~14.8年(中央値6.5)。治療後の肺動脈弁圧較差4~35mmHg(中央値27)、逆流は軽度まで。(3)UVR群: Fontan到達7例、PLE発症しtake down 1例、Fontan待機中 1例。TVD 66%ありRV overhaul 後にUVRの方針となったもの1例。Fontan到達までの手術回数3-7回、5例でCI施行 (PTA 4例に計8回、コイル塞栓術2例に計3回)。1例はBDG術後の難治性胸水貯留例で、肺動脈に対して計5回のPTAを施行しPAI 110から231まで改善しFontanに到達した。死亡なし。結語:BVR群は手術、CIの組み合わせにより経過良好であった。RFワイヤ使用により初回治療の安全性がより向上すると思われた。UVR群における肺動脈狭窄、肺動脈低形成には積極的なCIの介入が有用であった。