第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

1-05 画像診断

ポスター
画像CT

2015年7月16日(木) 16:50 〜 17:20 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:牛ノ濱 大也 (福岡市立こども病院)

I-P-012~I-P-016

[I-P-012] 生後早期に介入が必要であった右側相同の新生児に対する造影CTの経験

神崎 歩1, 黒嵜 健一2, 中島 光一朗2, 石塚 潤2, 辻井 信之2, 北野 正尚2, 矢崎 諭2, 市川 肇3, 白石 公2 (1.国立循環器病研究センター 放射線部, 2.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 3.国立循環器病研究センター 小児心臓外科)

キーワード:画像診断, CT, intervention

【目的】肺静脈閉塞を伴う右側相同では生後早期に治療方針の決定を要する場合がある.その際に診断の補助として緊急的に施行された造影CTの問題点を検討する.【対象と方法】2012年以降に日令0で造影CTを行った肺静脈閉塞を伴う右側相同の新生児5症例を対象として,画像と被ばく線量について後方視的に検討した.【撮影方法】使用機器はSiemens社SOMATOM Definition Flash,造影剤はiopamidol 1.9±0.4ml/kgをインジェクターを用いて14~25秒間で静注し,静注終了に合わせて撮影を開始した.4例は挿管呼吸管理され呼吸停止下に撮影.2例は撮影の6-7秒後に追加の撮影を繰り返した.【結果】院内出生は4例,出生から検査開始までの時間は3.0±1.2時間,院外からの搬送が1例,検査開始まで8時間だった.5例中3例は日中の検査時間内の緊急対応で,2例は時間外だった.検査室内での状態の悪化はなく,全例で得られた画像は治療方針の検討に用いることができた.再構成された画像のCT値は大動脈内523±83HU,垂直静脈(VV)内348±103HUでVV内の濃度は低く,6-7秒後の撮影が追加された2例はいずれも2相目でVV内の濃度が上昇した.画像ノイズは24.1±11HUで,院内の通常検査(18.8±2.4HU)よりもノイズの高いものがあった.ECG同期撮影を行った4例では1撮影あたりCTDIvol 2.5±0.4mGy,DLP 33.3±6.3mGy・cmで,通常検査(CTDIvol 2.1±0.3mGy,DLP 18.0±2.9mGy・cm)よりも高かった.【結語】日令0の高度な肺静脈閉塞を合併した新生児に対してCTは安全に施行することができ有用であった.肺静脈内への造影剤の到達が悪く,撮影条件に対して画像ノイズが高い傾向であり,撮影条件の設定や造影と撮影のタイミングに留意する必要がある.