[I-P-013] ECMO装着下CT検査の有用性と安全性
Keywords:CT, ECMO, 有用性・安全性
マルチスライスCTは,技術発展により低被曝かつ短時間の検査が可能になり,小児循環器領域に於いても画像診断の要となっている.一方,小児集中治療領域ではECMOを用いた蘇生(E-CPR)が行われる様になり,特に小児循環器領域ではその有効性が高いことが示されてきた.E-CPR後にECMO装着下CT検査を施行した乳幼児3例を経験したので,その有用性と安全性について文献的考察を加えて報告する。【症例1 】4か月女児。Right isomerism, CIRV, DORV, PS, RAA, PDA, bilateral SVC central shunt手術後。シャント閉塞から呼吸循環不全となりECMO導入。Glenn手術適応判断のためECMO装着下に造影CTを施行.肺動脈形態はGlenn手術適応と判断されたが、頭部CTで脳浮腫ありcentral shunt再建となった。【症例2】3か月女児。CIRV, PS, bilateral SVC, PA sling, hypoplastic RPA, hypoplastic trachea。前医でPA slingと診断。日齢41に呼吸不全となり気管内挿管。他院への搬送途中に徐脈となり、当院へ緊急転入しECMO導入。ECMO下の造影CTで気管と肺動脈を評価して、PA sling解除術を施行した.日齢46に気管形成術を施行し術後17日でECMO離脱。【症例3】5歳男児。AVD, DORV, l-MGA, PSに対してDouble switch operation施行。術後間質性肺炎を合併しステロイドパルス療法で改善せず、術後45日にECMO導入。以後理学療法などで呼吸状態の改善をはかった.術後60日にECMO下の胸部単純CTで間質性肺炎の改善を確認し,術後64日でECMO離脱。いずれの症例も、移動や撮影時の機器・カテーテルトラブルのリスクがあり、臨床工学技士の協力が不可欠であった。画像の精度は高く、迅速かつ正確な病態把握に有用であった。ECMO装着下でのCT検査の必要性は今後さらに増加すると思われ、移動方法や人員確保など安全面への工夫、ECMO循環を考慮した撮影方法などの工夫が必要になると考える。