[I-P-014] 小児の心臓CTにおける血管造影用カテーテルの検討
キーワード:computed tomography, catheter, infusion pressure
【背景】小児の心臓CTでは速い心拍数に対して、造影剤を急速注入することでCT値を上げている。24ゲージ留置針では注入圧上昇のために注入速度が制限されるため、新生児であってもしばしば22ゲージの留置針を用いて血管確保を行い、CTを施行している。2013年に血管造影用カテーテルとして医療機器認証されたBD Nexiva Diffusics(ネクシーバ)は、24ゲージでも3ml/secの流速が確保され、注入圧低減が見込める。【方法】心臓CTでのネクシーバの有用性を検討する目的で、血管確保を従来の22ゲージで行った群(C群)、ネクシーバ24ゲージで行った群(N群)に分けて、撮像時のCT値、注入圧を比較検討した。対象は2014年6月~2015年1月に心臓CTを施行した先天性心疾患の乳児15人で、C群(8人)(2014年6~10月)、N群(7人)(2014年11月~2015年1月)。GE Health care製light Speed VCTを用い、管電圧80kV、管電流Auto mA、ピッチ1.375、回転速度0.40sec/rotationで、ヨード造影剤(300mgI/ml)2ml/kgを右手背静脈から注入し、心臓CTを施行した(心拍呼吸抑制未施行)。【結果】平均施行月齢はC群1.31±1.99ヶ月(日齢4~5ヶ月)、N群2.85±2.84ヶ月(日齢7~7ヶ月)、平均体表面積はC群0.19±0.05m 2、N群0.21±0.06m 2。CT値はC群、N群でそれぞれ、上行大動脈419.3±60.2HU、459.2±69.5HU、主肺動脈434.6±76.2HU、458.7±58.3HU、上大静脈480.5±95.0HU、549.9±79.6HUであり、有意差は認めなかった。一方、最大注入圧はC群0.49±0.13kg/cm2、N群0.14±0.05kg/cm2でありN群の方が有意に低値であった(p<0.01)。【考察】24ゲージのネクシーバでは従来の22ゲージと比較して注入圧が低減しており、CT値は同等の値であった。体格、確保血管の血管径などにばらつきがあり、正確な比較は難しいが、ネクシーバを用いて心臓CTを行うことにより、より安定したCT値を得ることができる。