[I-P-016] カテーテル検査とTc心筋血流SPECTの左室容積の比較~QGS, cardioGRAF, CardioREPOを用いて~
Keywords:心筋血流SPECT, CardioGRAF, CardioREPO
【背景】Tc心筋血流SPECTでは心機能解析ソフトQuantitative Gated SPECT(QGS)が古くから用いられてきたが、small heartでは収縮末期容積(ESV)が過小評価、心収縮率(EF)が過大評価されるため、小児では解析が困難となることがある。その後、CardioGRAF(GRAF)やCardioREPO(REPO)といった位相解析ソフトが開発されてきたが、小児での使用報告はまだ多くない。
【目的】カテーテル検査とQGS、GRAF、REPOによる左室容積を比較すること。
【方法・対象】2011年8月から2015年1月に当科で安静時Tc心筋血流SPECTを施行した、2心室循環の患者。装置はPhilips社のBright View X with CTを使用し、解析はQGSおよびGRAF、REPO(ともに富士フイルムRIファーマ製)を用いて左室拡張末期容積(EDV)、ESV、EFを解析し、検査の前後1ヶ月以内に施行されたカテーテル検査(Cath)と比較した。
【結果】対象は26件、25例。17件がESV20ml以下のsmall heartであった。施行時年齢5.8歳(中央値 範囲:月齢2~36歳)、男性17例、女性8人。体重中央値11.9kg、BSA中央値0.53m2。EDVは、QGS=0.61×Cath(R2=0.92)、GRAF=0.94×Cath(R2=0.84)、REPO=0.73×Cath(R2=0.81)。ESVは、QGS=0.56×Cath(R2=0.86)、GRAF=0.96×Cath(R2=0.76)、REPO=0.68×Cath(R2=0.65)。EFは、QGS=1.19×Cath(R2=0.51)、GRAF=1.00×Cath(R2=0.08)、REPO=1.01×Cath(R2=0.14)であった。
【考察】EDV・ESVはGRAFが最も一致しており、相関も良好であった。QGSとREPOも係数がつくものの、相関は良好であった。EFはQGSが最も相関していた。GRAFやREPOで2例逸脱する症例があったが、最も低体重(6kg以下)2児であり、その2児を除外すると、REPO=1.00×Cath(R2=0.47)と相関した。small heartの中でも比較的体重のある症例では解析可能であった。解析に許容される体重などを検討していくためには、今後のデータの蓄積が必要である。
【目的】カテーテル検査とQGS、GRAF、REPOによる左室容積を比較すること。
【方法・対象】2011年8月から2015年1月に当科で安静時Tc心筋血流SPECTを施行した、2心室循環の患者。装置はPhilips社のBright View X with CTを使用し、解析はQGSおよびGRAF、REPO(ともに富士フイルムRIファーマ製)を用いて左室拡張末期容積(EDV)、ESV、EFを解析し、検査の前後1ヶ月以内に施行されたカテーテル検査(Cath)と比較した。
【結果】対象は26件、25例。17件がESV20ml以下のsmall heartであった。施行時年齢5.8歳(中央値 範囲:月齢2~36歳)、男性17例、女性8人。体重中央値11.9kg、BSA中央値0.53m2。EDVは、QGS=0.61×Cath(R2=0.92)、GRAF=0.94×Cath(R2=0.84)、REPO=0.73×Cath(R2=0.81)。ESVは、QGS=0.56×Cath(R2=0.86)、GRAF=0.96×Cath(R2=0.76)、REPO=0.68×Cath(R2=0.65)。EFは、QGS=1.19×Cath(R2=0.51)、GRAF=1.00×Cath(R2=0.08)、REPO=1.01×Cath(R2=0.14)であった。
【考察】EDV・ESVはGRAFが最も一致しており、相関も良好であった。QGSとREPOも係数がつくものの、相関は良好であった。EFはQGSが最も相関していた。GRAFやREPOで2例逸脱する症例があったが、最も低体重(6kg以下)2児であり、その2児を除外すると、REPO=1.00×Cath(R2=0.47)と相関した。small heartの中でも比較的体重のある症例では解析可能であった。解析に許容される体重などを検討していくためには、今後のデータの蓄積が必要である。