[I-P-024] 末梢肺動脈に迷入した中心静脈カテーテル断片をグースネックスネアカテーテルで回収した1例
キーワード:カテーテル迷入, グースネックスネア, 10350
【症例】先天性高インスリン血症の10ヶ月女児。高糖濃度輸液投与目的で生後1週間より右外頸静脈からMedicon社製の2.7F Broviac Catheterを留置。今回、在宅管理に向け中心静脈ポートに入れ替えることになった。Broviac Catheterのフィブリンシースを十分剥離しないまま切断し、ガイドワイヤーを挿入する際に、断端7cmが血管内に脱落した。胸部写真で右末梢肺動脈への迷入と判断し、回収を試みた。右大腿静脈に7Fシースを確保、SHEEN MAN社製 6F EN Snare System(EN2006010)のCatheter内にTERUMO社製0.035"Radifocus Guide Wireを先進させたMedikit社製4F Seiha Pigtail Catheterを挿入し、右肺動脈に到達。ただしEN Snareでは脱落カテの近傍まで到達せず。このためEN Snare Catheter内に更にCOVIDIEN社製4mm Amplatz Gooseneck® Microsnare Kit(SK400)を挿入し、脱落カテの遠位端を把持することができた。EN Snare Catheterを留置したまま、脱落カテを把持したMicrosnare Kitを体外に出そうとしたところ、先端から2cm程入った所で脱落カテが断裂した。このためEN Snare Catheterごと体外へ抜去し、断端1mmを確認した。再度同様にEN Snare Catheterを右肺動脈内に留置しMicrosnare Kitで脱落カテの遠位端を捕らえ、今度は1cm引き込んだ時点でやや抵抗ありそれ以上は引き込まず、そのままシステム全体を体外へ抜去した。【考察】右末梢肺動脈への迷入カテーテルの回収を経験した。正側2方向での対象物の位置確認、適したデバイスの使用が重要である。