第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-07 カテーテル治療

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カテーテル治療①

Thu. Jul 16, 2015 4:50 PM - 5:20 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:佐藤 誠一 (新潟市民病院)

I-P-023~I-P-027

[I-P-025] 両側大腿動脈閉塞小児例に対する、上肢よりの左心カテーテル検査

須藤 陽介1,2, 増谷 聡1, 金 晶恵1, 桑田 聖子1, 栗嶋 クララ1, 岩本 洋一1, 石戸 博隆1, 先崎 秀明1 (1.埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科, 2.済生会山形済生病院)

Keywords:両側大腿動脈閉塞, 左心カテーテル検査, 末梢動脈

【背景と目的】生後よりの頻回の心臓カテーテル検査(心カテ)と集中治療を経た小児の心カテで、両側大腿動脈閉塞により同部位からシース挿入が出来ない症例が存在する。成人では上肢からのシース挿入は一般的であるが、体格の小さな小児での安全性は不明である。新生児例に対してカテーテル治療を伴うケースでは、内頚動脈のカットダウンが行われるが、小児期左心カテでの施行には一般的でない。左心カテが躊躇される小児で、末梢動脈に留置針のみを留置し、シースを挿入せず、圧ワイヤーにより左心カテを施行し得たので報告する。【症例】11歳だが、27Kgと小柄な男児。両大血管右室起始、DKS、staged Fontanを施行した。3歳までに計9回、今回11歳時に10回目の心カテを施行した。8回目の検査時に両側大腿動脈閉塞が確認され、8, 9回目は左心カテを施行し得なかった。10回目の今回、右上腕動脈に22Gのジェルコ針を留置し、止血弁を直接接続した。動脈血のサンプリングは同部位から施行した。圧・フロー測定は同部位から挿入したコンボワイヤーにより施行した。コンボワイヤーは心室、上行、下行大動脈の必要箇所すべてに挿入でき、圧測定を行い得た。右心カテは通常通り施行した。心室拡張末期圧を心房圧の代用として、肺血管抵抗を算出できた。心室・大血管の造影による形態確認は、上・下大静脈からの造影の遅延相で確認した。その他、心室圧からdp/dt max, relaxation time constantを算出した他、心室圧断面積関係、大動脈入力インピーダンスの評価も施行しえた。【結論】診断カテを必要とし、両側大腿動脈が閉塞している小児例において、上肢の動脈への留置針の留置は、シースより細く血管閉塞のリスクを低減する。同部位からの圧ワイヤーの使用は、必要な左心系圧評価を可能とし、右心カテ単独と比較して詳細・必要な評価ができる。本法は方法論の一つとして認識に値する。