[I-P-027] 立体心臓模型を用いた心臓カテーテル検査/治療シミュレーション~市販模型と自作中空模型の比較
Keywords:心臓カテーテル検査, 立体心臓模型, シミュレーション
【背景】心臓カテーテル検査/治療は侵襲的であり,医療安全面からもシミュレーションは重要である.近年,精巧な心臓立体模型が市販され,ドライラボとして外科手術シミュレーション等に利用されているが,比較的高価であり,また心臓カテーテル領域でのシミュレーションの報告は少ない.【目的】市販及び自作のシリコン製中空立体心臓模型を用いた心臓カテーテル検査/治療シミュレーションの有用性を検討する.【方法】市販模型はTOFの心臓シミュレーター(XC-04CD)(クロスメディカル社)を使用.1個約10万円.自作模型はパーソナル3DプリンターUP Plus(TierTime Technology社)を用いて患者のCTデータから造形したABS樹脂模型にシリコンを塗布して作製.1個約2万円.シネアンギオ装置AXIOM Artis dBC(SIEMENS社)を用いて,空気中及び水中で各々のX線透視下の視認性を比較した.またASDの透明シリコン製自作中空模型を用いて水中でAmpaltzer Septal Occluder(ADO)の留置/回収実験を行った.【結果】市販模型は空気中の視認性は良好だが,X線透過率が水とほぼ等しく水中の視認性は不良であった.自作模型は空気中の視認性はやや不良だが,水中の視認性は良好でカテーテル操作のシミュレーションに適していた.水中でのASD自作模型に対するADOでは,個別治療を想定したより実践的なシミュレーションを繰り返すことができ、また外部からもカテーテルや閉鎖栓の位置が確認できる利点があった。各模型とも,外観の形態を容易に把握でき,透視下にカテーテル走行を確認するシミュレーションには有用であった.【考察と結論】市販及び自作の立体心臓模型では透視画像の視認性が異なっていた.患者データに基づく自作模型では,より実践的なシミュレーションが可能であった.各々の模型の特徴を理解し,用途に合わせて心臓カテーテルシミュレーションを行うことは有用である.