第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-07 カテーテル治療

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カテーテル治療②

2015年7月16日(木) 17:20 〜 17:50 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:犬塚 亮 (東京大学)

I-P-028~I-P-032

[I-P-030] 両側肺動脈絞扼術後にバルーン拡張術を用い絞扼部を拡張した2例

差波 新, 鍋嶋 泰典, 高橋 一浩, 中矢代 真美 (沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児循環器科)

キーワード:両側肺動脈絞扼術, 肺動脈バルーン形成術, 左心低形成

【背景】両側肺動脈絞扼術(bilPAB)は、左心低形成症候群などの姑息術として用いられている。体重増加により肺血流の低下、SpO2の低下をきたす場合があり介入が必要となる。我々はbil PAB後にバルーン肺動脈拡張術を行い、次回手術まで待機できた2症例を報告する。【症例1】左心低形成症候群(MS,AA)38週3236gにて出生。日齢4にbil PABを施行。Banding にはePTFEを使用(外径左10mm, 右11mm). 日齢56体重4.3kgで経皮的血管形成術(PTA)を施行。両側肺動脈に対して、sterling 径6mmを使用し、RPA 1.7mm LPA 1.5mm 対して、LPA 2.5mm RPA 2.9mmで拡張。合併症なし。SpO2は70%から80%前後まで改善した。日齢100日でNorwood +両方向Glenn 手術となった。【症例2】大動脈離断(type B), 大動脈弁狭窄、心室中隔欠損。36週2444gにて出生。生後10日でbilPAB (両側外径11mm)を施行。日齢42日にPTA施行。LtPA1.0mmに対しSaphire high pressure balloon 径2.5mmにて22atm 2.6mmで使用。RtPA 1.0mmに対してはSaphire balloon径2.5 6atmにて施行。SpO2は術前の70%から80%へ上昇した。日齢106日でNorwood手術を行った。【考察】bil PABに対するバルーン肺動脈拡張術は、末梢肺動脈狭窄の予防と低酸素血症の改善を目的として行われ、早期の開心術を回避し、中枢神経障害のリスクを減じることができる。しかし、PTAによる肺血流増加に伴い心不全や、房室弁逆流の増悪を伴うことがある。また、手技の際には解離、出血を来すことがあり注意が必要である。【結語】bil PABに対するバルーン肺動脈拡張術を合併症なく施行し、良好な結果を得た。