[I-P-038] 経皮的カテーテル肺静脈隔離と心房中隔欠損閉鎖術を行った心房細動合併成人心房中隔欠損例の検討
Keywords:心房細動, 心房中隔欠損, カテーテルアブレーション
【背景】発作性または持続性心房細動(AF)は成人期まで心房中隔欠損症(ASD)を無治療のまま経過した患者に合併することがあり,またASD患者の予後を悪化させる因子の一つである。近年,経皮的カテーテルASD閉鎖術は体外循環装置や開心術を必要とせず,さらに比較的低侵襲であるため,合併症リスクの高い高齢者に対しても行われるようになった。一方,発作性はもとより,持続性および長期持続性AFに対する経皮的カテーテル肺静脈隔離術(PVI)の成績も向上した。しかし,心房細動を合併したASD患者に経皮的カテーテルPVIとASD閉鎖術を段階的に施行する効果や予後は知られていない。【方法】2013年1月から2014年9月までに ASDがあり,当センターにおいて検査を受けた年齢17歳以上の30例を検討した。4例は外科治療の適応と判断され外科的ASD閉鎖術が施行された。26例は経カテーテル治療が可能と判断された。そのうち6例 (63±13 歳) に発作性(4例) または持続性(2例) AFが合併していて,発作性AFの4例に対しては経皮的カテーテルPVIとGP ablation,持続性AFの2例に対してはPVIとGP ablationに加えてstepwise ablation法(LA roof linear ablation, CFAE ablation)を経皮的カテーテルASD閉鎖術前に行った。【結果】 心房細動のある6例で経皮的カテーテルPVI,GP ablation,stepwise ablation法(持続性AFの2例)に成功し,全例で急性期に洞調律に復した。発作性の2例にはRA起源focal ATまたはPSVTを合併していて,同時にそのablationを要した。2例(発作性1例,持続性1例)にAFが再発し,発作性AFの1例で再度のablation を行った。現在も5例(83%)は洞調律を維持している。全26例で19.4±6.7mmのdeviceを使用して経皮的カテーテルASD閉鎖術に成功し,心不全症状の消失を認めた。全例で合併症はなかった。【まとめ】経皮的カテーテルPVIとASD閉鎖術は考慮されるべき治療戦略と考える。