[I-P-044] 当センターにおけるBurgada症候群の現況
キーワード:Burgada症候群, 遺伝子診断, 突然死
【背景・目的】Burgada症候群はアジア人に多く、我が国でも稀な疾患ではない。心電図でJ点が0.2mV以上のCoved型ST上昇を示すのは、学童で0.005%程度、成人で0.1-0.3%程度と報告されている。一方、心室細動を発症した小児の報告は稀で、小児期の管理について定まったものは無い。今回我々は、当センターでは経過観察中のBurgada症候群の4家系について検討した。【症例】4家系の診断の契機は、学校心臓検診が1家系・心室中隔欠損術後の経過観察中が1家系・心房中隔欠損の経過観中が1家系・家族検査に関連が1家系であった。確定診断は、遺伝子診断がされているのが3家系・失神の家族歴と明らか心電図所見(遺伝子診断は同意されず)が1家系であった。4症例の、診断時年齢・心電図所見・失神歴・内服治療・遺伝子変異、などについて検討した。【結果】4症例は全例男性で、診断時年齢は平均12歳(4歳-22歳)であった。心電図所見は、3例がCoved型(2例はSaddle backと混在)、1例がSaddle backであった。平均6.5年間(1-10年)の経過観察中に、失神を起こした症例はいなかった。内服は、1例がキニジンの予防内服をしている。遺伝子診断は3家系でなされ、3家系で、ICDの植え込みが行われている(失神の既往が2例・予防的{E1784K}が1例)。電気生理学的検査は1例で施行されているが、心室細動は誘発されていない。【考察】小児期に診断されるBurgada症候群は少なく、その管理も定まったものが無い。遺伝子診断・電気生理検査などの進歩により、確定診断・リスク評価が可能となり、今後治療基準の確立が望まれる。