第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

1-13 術後遠隔期・合併症・発達

ポスター
術後遠隔期(ファロー四徴症)

Thu. Jul 16, 2015 5:20 PM - 5:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:竹内 大二 (東京女子医科大学)

I-P-060~I-P-064

[I-P-063] Fallot四徴症の心内修復術後遠隔期成績

谷内 裕輔, 久保 達哉, 岩崎 英紀, 藤田 修平, 畑崎 喜芳 (富山県立中央病院 小児科)

Keywords:Fallot四徴症, 遠隔期, 極型Fallot

【目的】Fallot四徴症の術後早期の成績は向上しており長期生存例が多数報告されている。今回、Fallot術後の遠隔期における問題点について検討した。【対象・方法】当院でFallot四徴症及び両大血管右室起始兼肺動脈狭窄の診断で外科治療を行い、かつ、根治術後10年以上フォローできた症例を対象とし、診療録による後方視的検討を行った。【結果】症例は25例で男性14例、女性11例。現在の年齢は16.6±4.9歳。肺動脈閉鎖を合併した極型Fallotは25例中7例認めた。染色体異常を伴うものは6例、内訳として21 trisomy 2例、22q11.2.欠失症候群3例、Turner症候群1例。心内修復術時の年齢は1.8±2.0歳、心内修復術術後観察期間は14.3±3.3年。現在のEF:67.3±7.7%、心不全症状を訴える症例は認めず、不整脈を主訴に受診する症例も認めなかった。再手術を要した症例は8例であり、内訳として経皮的血管形成術が2例、右室流出路拡大術が6例。極型Fallotの群に再手術例を多く認めた(7例中6例)。【考察】Fallot術後の遠隔期では右室流出路狭窄、肺動脈弁閉鎖不全、心室性不整脈が問題となることが報告されている。今回の検討では術後の再狭窄による再手術が大きな問題となり、それらの症例は出生時から肺動脈閉鎖を合併している例が多く再手術のリスクになると考えられた。不整脈や心不全による死亡例は認めなかったが、今後も心エコーや心電図を利用した注意深い経過観察が重要であると考えられる。【結論】Fallot術後早期の治療成績は向上しているが、今後は遠隔期の再手術率低下が課題と考えられた。