第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-14 成人先天性心疾患

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成人先天性心疾患の諸問題①

Thu. Jul 16, 2015 5:14 PM - 5:44 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:賀藤 均 (国立成育医療研究センター)

I-P-069~I-P-073

[I-P-069] 感染性心内膜炎による急性大動脈弁閉鎖不全症にRoss手術を施行した16歳男子例

高橋 怜1, 木村 正人1, 川合 英一郎1, 大軒 健彦1, 安達 理2, 斎木 佳克2, 呉 繁夫1 (1.東北大学病院 小児科, 2.東北大学病院 心臓血管外科)

Keywords:感染性心内膜炎, Ross手術, Staphylococcus lugdunensis

症例は16歳男子、生来健康であったが38度台の発熱に対して近医で約1か月間に渡り断続的に抗菌薬を投与され、軽快と再燃を繰り返していた。発熱が持続するため前医を受診し精査したところ、心エコーで大動脈弁に疣贅を認め血液培養からStaphylococcus lugdunensisが分離され診断に至った。ペニシリンとゲンタマイシンの投与により炎症は収束に向かったが、大動脈弁閉鎖不全症による急性心不全の進行を認めた。本人及び両親が運動部の継続を強く希望したことからRoss手術を検討するため当院転院となった。入院時の心エコーで重度の大動脈弁閉鎖不全症に加え大動脈弁輪周囲の破壊による心室中隔の穿孔や完全房室ブロックの発症が危惧され、早期に手術を施行する方針となった。術中所見で弁輪部の破壊が軽度であったことからRoss手術が選択され、さらに破壊された大動脈弁は二尖弁であることが判明した。術後の経過は良好であり1か月後の心カテーテル検査でも冠動脈再建部の狭窄はなく、感染性心内膜炎に対する6週間の抗生剤投与を完遂し退院した。 少年期での感染性心内膜炎の発症はまれであり、不明熱であっても感染性心内膜炎が鑑別疾患にあがることは多くない。一方、先天性大動脈狭窄症は頻度の高い先天性心疾患であり感染性心内膜炎のリスク因子であるが、軽症の場合には心雑音が明瞭でなく学校検診でも発見することは困難である。 若年者においても不明熱の鑑別に感染性心内膜炎を考えることは重要であり、その背後に無症候性の先天性心疾患が存在している可能性があることに気づかされた。