第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-14 成人先天性心疾患

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成人先天性心疾患の諸問題①

Thu. Jul 16, 2015 5:14 PM - 5:44 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:賀藤 均 (国立成育医療研究センター)

I-P-069~I-P-073

[I-P-070] 先天性心疾患に合併した感染性心内膜炎

鈴木 保之, 服部 薫, 山内 早苗, 大徳 和之, 福田 幾夫 (弘前大学 胸部心臓血管外科)

Keywords:感染性心内膜炎, 先天性心疾患, 歯科治療

背景と目的:成人先天性心疾患の患者の増加に伴い感染性心内膜炎(IE)も増加する可能性がある。今回、先天性心疾患(CHD)に合併したIEについて検討する。対象と方法:2000年5月以降、外科的治療を行ったIEでCHDを合併した14例(男性:7、女性:7、年齢38±18歳)を対象とした。CHDはVSD:8、bicuspid AoV:3、ASD:2、PS+RVOTS:2、CoA:2、Cor triatriatum:1(重複を含む)でCHDの診断が確立されていたのが9例、IEの活動期手術は4例であった。これらについて活動期手術の理由、IEの誘因、起因菌、抗生剤投与期間、罹患弁とCHDとの関係、手術及び合併症について検討した。結果:高度肺高血圧を合併したCor triatriatum+bicuspid AoVをLOSで失った以外は全例生存した。活動期手術の理由は塞栓症3例、心不全コントロール不良1で内2例ではすでに肺塞栓を合併していた。IEの誘因を認めたのは10例(歯科治療及び疾患6、化膿性脊椎炎1、その他3)、起因菌は連鎖球菌:11、腸球菌:2、表皮ブドウ球菌:1で活動期手術以外の術前感染のコントロールは良好であった(抗生剤投与期間:53±29日)。罹患弁とCHDについてはPS+RVOTSとVSD( I)では罹患弁は肺動脈弁2、大動脈弁2、VSD(II)は三尖弁3、三尖弁+肺動脈弁1、大動脈弁+僧帽弁1、bicuspid AoVは大動脈弁2、大動脈弁+僧帽弁1であった。手術は心内奇形修復と肺動脈弁5:valvotomy2、弁置換3(全例生体弁)、大動脈弁7:弁置換(生体弁3、機械弁4)、僧帽弁4(弁形成1、弁置換3)が行われ、術後合併症は心タンポナーデ3、脳出血2、末梢動脈塞栓1、胸骨骨髄炎1が認められた。考察および結語:手術成績は概ね良好で、罹患弁と心内奇形の関連性が示唆された。VSDに合併するIEが最も多く、誘因は歯科治療及う歯が多かったことから予防的抗生剤投与の啓蒙が必要である。