第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-15 周産期・心疾患合併妊婦

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周産期①

Thu. Jul 16, 2015 4:50 PM - 5:20 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:前野 泰樹 (久留米大学)

I-P-074~I-P-078

[I-P-077] 心室中隔欠損症を合併した極低出生体重児18例の検討

内藤 敦1,2, 星合 美奈子2, 須長 祐人1, 杉田 完爾2, 駒井 孝行3 (1.山梨県立中央病院総合周産期母子医療センター 新生児科, 2.山梨大学医学部 小児科, 3.山梨県立中央病院総合周産期母子医療センター 小児科)

Keywords:極低出生体重児, 心室中隔欠損, 自然閉鎖

【目的】出生体重1,500g未満の児は心疾患を有していなくても、出生直後より潜在的な心不全状態にあり、未熟児動脈管開存のコントロールだけでも難渋する症例も存在する。今回、当センターにて管理した心室中隔欠損症(VSD)を合併した極低出生体重児の経過をふり返り、適切な管理および治療方針について検討する。【方法】2001年9月の当センター開設より2014年12月までの13年間に当施設に入院した極低出生体重児565人のうちVSDを合併した18人を対象とした。在胎週数、出生体重、周産期管理、主な治療介入、自然閉鎖の有無につき検討した。【結果】対象は在胎週数23~36週、出生体重476~1,428g、出生前診断は1例(5.6%)のみであった。最大径は0.9-6.7mm、欠損部位は膜性周囲部が最も多く16例(88.9%)、室上稜上部と心尖筋性部がそれぞれ1例であった。死亡は2例(11.1%)であったがVSDとの直接的な関連は認められなかった。生存16例中、外科的閉鎖を行ったのは3例(18.8%)で、いずれも肺動脈絞扼術を挟んで2期的に閉鎖を行っており、現在も1例が根治待機中である。11例(68.8%)は自然閉鎖を来しており、このうち4例は入院中の早期閉鎖、7例は退院後の経過観察中に閉鎖を確認している。未熟児動脈管開存に対しては16例全例で閉鎖に至っており、7例(43.8%)にインダシン投与、2例(12.5%)に対してクリッピング術を施行した。【考察】VLBWに合併したVSDは外科的介入の制限がある一方、高率に自然閉鎖を認めており、出生直後より新生児科医、小児循環器医、小児外科医が連携して治療方針を組み立てることにより良好な経過につながると考える。