第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

2-01 外科治療

ポスター
周産期②

Thu. Jul 16, 2015 5:20 PM - 5:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:松村 剛毅 (東京女子医科大学)

I-P-079~I-P-083

[I-P-080] 体重1.5kg以下の未熟児PDAに対する外科治療成績の検討

今井 健太, 村田 眞哉, 井出 雄二郎, 城 麻衣子, 菅野 幹雄, 黒澤 博之, 伊藤 弘毅, 菅野 勝義, 坂本 喜三郎 (静岡県立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:未熟児動脈管, 1.5kg, 手術

【はじめに】当院では未熟児PDAに対し新生児科,循環器科,心臓外科が綿密に連携し,より積極的な介入を行っている。その手術成績を検討した。【対象】1998年1月~2014年12月に動脈管閉鎖術を行った,体重1.5kg以下の未熟児動脈管開存87例を対象とした。在胎週数は22~35(中央値26)週,出生体重は340~1568(760)g,Apgarは1分値4.3±2.3,5分値6.4±2.2であった。手術時日齢は2~51 (20)日,修正週数は23~37(29)週,体重は340~1500 (830kg(300g台:4例)であった。アプローチは左開胸75例,正中切開7例,不明5例で,閉鎖法はクリッピング60例,結紮27例であった。手術成績,死亡危険因子等につき検討を行った。【結果】院内死亡は8例(9%)で,手術操作起因の死亡はなかった。1,5,10年生存率はいずれも89.5±10.5%であった。死亡危険因子は性別,在胎週数,出生体重,手術時修正週数,手術時体重,NEC,Apgar値,インダシンクール,術前Cr値,拡張期血圧のうち,単変量解析で手術時修正週数(p=0.03),手術時体重(p<0.01),Apgar1,5分値(p=0.04,p<0.01),NEC(p=0.02),Cr値(p=0.01)で,多変量解析ではCr値(p=0.03)が有意であった。300g台で手術を行った4例は,生存2例(院内出生,術前合併症なし),死亡2例(出生後搬送,術前DIC:1,術前NEC:1)であった。NECによる消化管穿孔を術前4例,術後3例に認め,うち4例が死亡した。NECの危険因子は性別,在胎週数,出生体重,Apgar値,インダシンクール,Cr値,拡張期血圧のうち,単変量解析で在胎週数(p=0.02),Apgar5分値(p<0.01)が有意で,多変量解析で有意な因子はなかった。【結論】1.5kg以下の未熟児PDAに対する手術成績は満足のいくものであった。Cr値が危険因子となること,また300g台の低体重であっても安定していれば手術結果は良好であることから比較的早期に積極的に介入することが望ましいと考えられた。NECは死亡の危険因子であり,出生状態がリスクとなるためこういった児に対してはより慎重なフォローが必要である。