第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

1-16 肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患

ポスター
肺高血圧 Down

Thu. Jul 16, 2015 5:26 PM - 5:56 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:梶野 浩樹 (網走厚生病院)

I-P-100~I-P-104

[I-P-103] ダウン症候群に合併した完全型房室中隔欠損における心内修復術後残存肺高血圧の検討

細谷 通靖, 河内 文江, 森 琢磨, 菅本 健司, 菱谷 隆, 星野 健司, 小川 潔 (埼玉県立小児医療センター)

Keywords:残存肺高血圧, 完全型房室中隔欠損, ダウン症候群

【背景】ダウン症候群(DS)に合併する房室中隔欠損の臨床経過において、心内修復術後の残存肺高血圧(residual PH、以下rPH)は重要な問題である。一方でDSでは喉頭軟弱などの上気道閉塞性病変を合併することも多く、rPHの経過に影響を与えることが考えられる。【対象・方法】2005年~2014年に当院で心内修復術を行い、術後カテーテル検査を行ったDSに合併した完全型房室中隔欠損(cAVSD)20例について臨床経過、カテーテルデータ、上気道閉塞性病変の程度などを中心に検討した。【結果】心内修復術実施年齢は平均8.9カ月であった。術後初回カテーテル検査(平均1年)において収縮期肺動脈圧は平均38.5mmHg、平均肺動脈圧は平均25.8mmHgであった。周術期のNO吸入使用、術前の肺生検の実施でrPHとの相関を認めた。肺動脈絞扼術の有無、心内修復術実施年齢、ASD fenestration、術後肺動脈喫入圧、術後僧帽弁閉鎖不全の程度とrPHには相関は認めなかった。術後初回カテーテル検査においてPp/Ps0.5以上で遠隔期にrPHが進行または残存する傾向にあり、上気道閉塞性病変の程度と相関が認められた。成長とともに上気道閉塞性病変が改善した症例では遠隔期のカテーテル検査でrPHの改善を認めていた。【考察】上気道閉塞性病変はrPHの進行に関与していると考えられた。rPHの予測される症例については、上気道閉塞性病変に対する介入、肺血管拡張剤、在宅酸素療法などを積極的に行うことにより肺高血圧の改善につながるかもしれない。