第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-17 心血管発生・基礎研究

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心血管発生・基礎研究②

Thu. Jul 16, 2015 5:20 PM - 5:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:上砂 光裕 (日本医科大学千葉北総病院)

I-P-110~I-P-114

[I-P-110] 小児循環器外科の新医療材料:自己移植用組織体の低侵襲体内作製

中山 泰秀, 大家 智憲, 古越 麻耶 (国立循環器病研究センター研究所 医工学材料研究室)

Keywords:自己組織, 再生医療, 生体内組織形成

【背景】
体内にプラスチック製の「型」を1、2ヶ月間埋入することで得られる自己結合組織体は、血管、心臓弁、角膜、修復材などの用途において自家ならびに同種移植用組織としての有用性を動物実験において明らかにしてきた。その作製手技において、皮下ポケットへの「型」の挿入時は小切開によって可能であるが、取り出し時は「型」より大きな皮膚切開を必要とするため、侵襲度の高さが特に小児外科の分野では課題であった。本研究では、小切開創から埋入「型」を取り出せる新たな「型」の設計と、挿入、取り出し器具の開発に取り組んだ。
【方法と結果】
ステンレス製の円筒状柵部材にシリコーン円柱部材を内挿することで円柱状の「型」を作製した。ビーグル犬皮下に小切開創を作製し、プラスチック製の円筒を通して「型」を皮下ポケット内に埋入した。1ヶ月後に先の小切開創から「型」の端部のみを露出させ、把持棒の先端とネジ固定した。棒を通して円筒刃を挿入し、「型」の外周に沿わせて押し込むと、「型」の柵部の組織が切断され、「型」を体外に容易に摘出できた。「型」の円筒部材を取り外すと、シリコーン部材の周囲に結合組織チューブの形成を認めた。その厚さは両部材の隙間によって調節可能であった。従来、シリコーン部材のみで作製していた結合組織チューブに比べて、膜の厚い、丈夫な組織を確実に作製することが可能となり、さらに、小切開創から形成結合組織に損傷を与えることなく低侵襲で「型」を取り出すことができた。得られた結合組織チューブは、開くことでシートとして扱え、既成の医療機器が充実していない小児循環器外科における新たしい医療材料と位置づけられた。
【結論】
完全に自己組織のみからなる結合組織体を移植用の新材料として低侵襲で作製することが可能となり、ある意味創意工夫で成り立つ小児循環器外科領域に新たな治療の選択肢を投じることが期待される。