[I-P-120] 当科におけるガンマブロブリン不応川崎病に対するインフリキシマブ投与33例の検討
Keywords:ガンマグロブリン不応川崎病, インフリキシマブ, 好中球分画
【背景】川崎病は原因不明の全身性血管炎で, 大量ガンマグロブリン療法(以下IVIG)での治療が推奨されているが, 約15%に不応症例が存在し冠動脈瘤のリスクが増加する. 当科では, IVIG不応例の追加治療としてインフリキシマブ(以下IFX)を選択することが多い.【目的】IFX不応川崎病症例の病態について明らかにすること.【対象】2008年7月から2014年12月に当院に入院したIVIG不応川崎病症例でIFX使用に同意を得た33名. 年齢は生後3か月から11歳6か月, 中央値2歳0か月, 性別は男性24名, 女性9名であった.【方法】IFX投与後48時間以内に体温が37.5度以下に改善しなかった症例を不応群と定義した. 今回, IFX投与33名において奏功群(28名)と不応群(5名)において主要症状, 冠動脈障害の有無, 血液検査所見, リスクスコア, またFlow cytometerを用いてCD14+細胞およびCD4+T細胞およびCD8+T細胞の活性化について後方視的に比較検討した. 両群の比較にはMann-Whitney U-testを用い, P＜0.05を有意差ありとした.【結果】不応群は奏功群に比し, 月齢(p=0.04)および投与24時間後の体温(p=0.003)が有意に高かった. 血液検査では, 白血球の好中球分画(p=0.006)が有意に高かった. CD14+16+細胞, CD4+T細胞数および, CD8+T細胞数, およびHLA-DR+細胞数については両群に有意な差は認めなかった. 【結論】IFX不応群では, 白血球の好中球分画が高くIFX不応へ影響している可能性が示唆された. 単球, T細胞の活性化については今後も更なる検討が必要であると考えた。