[I-P-126] Candida Albicans Water Soluble Fraction (CAWS) 血管炎川崎病モデルと川崎病との類似点・相違点の検証
Keywords:川崎病, 川崎病モデルマウス, CAWS
【背景】川崎病の原因解明やより有効な治療法の開発を加速するにあり、川崎病モデルマウスの解析は非常に重要である。現在川崎病モデルマウスとして、Candida Albicans、Lactobaccillus Casei、Nod-1 Ligandを用いたものが報告されている。しかし、これらのモデルが本当に川崎病モデルといえるのか、いまだ論議が多い。【目的・方法】Candida Albicans Water Soluble Fraction (CAWS)による血管炎モデルマウスを作製し、組織学的、遺伝子発現プロファイリング、サイトカインプロファイリング、川崎病治療薬による抑制効果について解析を行った。我々がこれまでに行ってきた川崎病症例における同様な解析結果と比較を行い、CAWS血管炎と川崎病との類似性・相違点を検討し、CAWS血管炎が川崎病モデルといえるのか検証した。【結果】CAWS血管炎における組織学的解析では、大動脈基部~冠動脈に強い血管炎を認めた。しかし、血管炎は冠動脈より大動脈基部に強く認められた。川崎病治療薬(免疫グロブリン、TNFa受容体阻害薬、ステロイド、免疫抑制剤)はそれぞれ種々の程度に血管炎を抑制した。遺伝子発現プロファイリングでは、自然免疫とTNFパスウェイに関する遺伝子の動きが著名で、川崎病初期における遺伝子発現プロファイリングと共通点を認めた。サイトカインプロファイリングではIL-6を中心とするサイトカインの上昇を認め、川崎病における結果との類似性を認めた。【考察・結語】CAWS血管炎は血管炎の発現部位に川崎病との若干の相違点を認めたが、遺伝子発現解析、サイトカインプロファイリングでは川崎病と類似性が高かった。CAWS血管炎と川崎病発症機序との類似性が推測され、CAWS血管炎の解析が川崎病発症機序解明につながると期待された。