[I-P-132] 心臓超音波検査による新たな冠動脈径測定の方法
Keywords:川崎病, 冠動脈, 心臓超音波検査
[背景] 成人領域でInitima Media Thickness (IMT)の計測における目視法では精度、再現性の観点から問題が指摘されている。このような問題を解決するために開発されたソフトウエアでIMTを計測した場合、測定者内変動、測定者間変動をより小さく出来ると報告された。目視法による計測は川崎病における冠動脈評価についても同様の問題が存在すると思われる。[目的]川崎病症例における冠動脈の計測を新たなソフトウエアで行い妥当性を検討する。[対象]2009年1月から2014年12月までに当院にて川崎病の冠動脈合併症が疑われ冠動脈造影が行われた21症例。[方法]超音波検査(echo)、血管造影(cathe)にて得られた画像から冠動脈径を計測。計測にはsoft medical社のIMTscopeを用いた。IMTscopeでは指定したエリア内の複数の計測点で径を計測し、最大径,平均径を算出する。結果は平均(中央値)mmで示し統計学的解析はSPSS ver21.0を用いp値0.05未満を有意差ありとした。[結果]echoとcatheの画像についてIMTscopeにて計測した各segmentの最大径はseg1,; echo=2.79 (2.30)mm, cathe=2.84 (2.50)mm, seg5; echo=3.07 (2.82)mm, cathe=2.90 (2.74)mm, seg6; echo=2.46 (2.28)mm, cathe=2.42 (2.26)mm, seg11; echo=2.10 (1.92)mm, cathe=2.21 (2.25)mm,平均値はseg1; echo 2.47 (2.00)mm, cathe=2.52 (2.29)mm, seg5; echo=2.76 (2.55)mm, cathe=2.70 (2.52)mm, seg6; echo=2.24 (1.89)mm, cathe=2.20 (2.07)mm, seg11; echo=1.91 (1.78)mm, cathe=2.00 (1.99)mmであった。各segmentにおけるechoとcatheの相関関係は最大値についてはseg1, r=0.852* Seg5, r=0.642* seg6 r=0.885* seg11, r=0.842*, 平均値についてはseg1, r=0.897* seg5, r=0.739* seg6, r=0.962* seg11=0.946*といずれも有意な正相関を認めた(*p<0.001)が、平均値を用いた場合で相関係数が高かった。[まとめ]IMTscopeを用いた冠動脈の評価は臨床応用が可能である。