第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-18 川崎病・冠動脈・血管

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川崎病・冠動脈・血管③

2015年7月16日(木) 17:20 〜 17:50 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:鈴木 啓之 (和歌山県立医科大学)

I-P-131~I-P-135

[I-P-134] 冠動脈障害を合併した川崎病患者における自律神経機能と心室性不整脈の関係

阿部 忠朗1, 津田 悦子1, 岩朝 徹1, 佐々木 理1, 則武 加奈恵1, 三宅 啓1, 白石 公1, 木曽 啓祐2 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 2.国立循環器病研究センター 放射線科)

キーワード:川崎病, 心室性不整脈, 自律神経

【背景】冠動脈障害を合併した川崎病患者(KDCAL)に、致死的な心室性不整脈が起こる場合がある。成人領域では心室性不整脈の発生と自律神経活動の関与を示唆する報告が散見される。【目的】KDCALにおける心室性不整脈とHolter心電図及び123I-MIBGシンチグラムから得られた自律神経機能との関連を明らかにすること。【方法】2003年から2014年にHolter心電図と123I-MIBGシンチグラムを同時期に施行したKDCAL36例(男/女 25/11例)を後方視的に検討した。Holter心電図施行年齢は中央値17(1-37)歳で川崎病発症からの期間は中央値12年(1カ月-35年)であった。β遮断薬は7例(19%)が内服していた。Holter心電図からPVCの頻度と連続性を調べ、また心拍変動における低周波成分(LF)、高周波成分(HF)から迷走神経活動の指標としてHF、交感神経活動の指標としてLF/HFを調べた。さらに123I-MIBGシンチグラムから交感神経活動の指標としてdelayed H/M、WRを調べた。これら自律神経活動の指標とPVCの頻度及び連続性の関連についてt検定、単ロジスティック分析により検討した。【結果】PVCの頻度は0.51±2.1%で、非持続性心室頻拍(NSVT)が6例(17%)にみられた。24時間平均HF(mean HF)、LF/HF(mean LF/HF)はそれぞれ828±1429 ms2、1.8±1.1で、delayed H/Mは2.4±0.49、WRは36±12%であった。PVCの頻度と各自律神経活動の指標とはβ遮断薬使用の有無に関わりなく関連はなかった。NSVTの出現はβ遮断薬使用例を除いた場合、mean HF(p=0.02), mean LF/HF(p=0.01)で有意な関連を認めた。β遮断薬使用例を含めた場合、心拍変動やdelayed H/M及びWRとの関連はなかった。【結語】KDCALにおけるNSVT発症には交感神経活動性の亢進及び迷走神経活動性の低下が関与している可能性があり、β遮断薬使用により修飾され得る。