[I-P-139] 当院での小児に対するペースメーカー、ICD植込みの検討
Keywords:ペースメーカー, ICD, CRT
【背景】小児に対するペースメーカー(PM)や植込み型除細動器(ICD)においてはその体格、静脈閉塞、将来の成長に伴う位置移動やその留置期間の長さなどが問題となり植込み方法は確立していない。当院では植込みに際して、ポケットを筋層下に作成、各リードは一度心窩部を経由させてからポケットに誘導、心室ペーシングリードは左右心室心尖部に留置、CRT植込みでは左側開胸と正中切開を併用、ICD植込みは左側開胸で背部筋層下にショックリードを留置、を原則としている。今回治療成績を検討したので報告する。【目的・方法】2006年~2014年に当院にて施行したPM,ICD,CRT植込み術に関して後方視的に検討した。【結果】PM植込みが9例(先天性AVblock4例、複雑性心疾患合併AVblock3例、洞不全症候群1例)、ICD植込みが2例(QT延長症候群、カテコラミン誘発性多形性心室頻拍がそれぞれ1例)、CRT植込みが3例(全例拡張型心筋症)、合計14例に施行され、植込み時年齢は6ヶ月~11歳で、体重は2.8kg~32kgであった。本体の植込み場所は13例が上腹部筋層下であり、11歳の1例のみが上腹部皮下であった。ペーシング及びペーシングリードに起因する心不全症例はなかった。CRT植込みでは術中に経食道エコ-を用いて心収縮をリアルタイムに観察しながらペーシング位置を検討し、3例とも術後に心機能の改善(平均+21%)を得られていた。ICDは術後のショック閾値やショックimpedanceは十分な値だった。ペーシング閾値、波高、除細動閾値が問題になった症例はなく、リード断線、皮膚障害も認めなかった。電池寿命以外に再手術を要した症例はなかった。5kg以下の小体格症例においても問題を認めなかった。【考察】対象疾患、体格、植込みdeviceは様々であったが現在の植込み方法にてリード関連合併症もなく良好な経過が得られていた。