第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

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1-19 学校保健・疫学・心血管危険因子

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学校検診①

2015年7月16日(木) 16:50 〜 17:20 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:岩本 眞理 (済生会横浜市東部病院)

I-P-142~I-P-146

[I-P-142] 学校心臓検診の自動解析正常で医師判読により二次検診へスクリーニングされた心電図の検討

野村 裕一, 吉永 正夫, 上野 健太郎, 江口 太助, 益田 君教, 田中 裕治, 西畠 信 (鹿児島市学校検診委員会)

キーワード:学校心臓検診, 自動解析, 二次検診

【背景と目的】当市の学校心臓検診(心検)は、心電図自動解析や問診票でスクリーニングされた心電図を検診委員が判読し、二次検診へスクリーニングしている。自動解析が正常でも、委員の心電図判読によるスクリーニングを行っている(自動解析外二次例)。これらの心電図の特徴を知ることは心検の心電図判読の一助となることが考えられる。そこで、2005年から10年間の心検の自動解析外二次例の心電図の特徴を検討した。二次検診では胸部X線検査と運動負荷心電図や心エコー検査を行い検診委員による診察を行った。【結果】小学1年生55,172名と中学1年生58,993名の心電図で、自動解析外二次例は小学生24例(0.04%)、中学生68例(0.1%)だった。二次検診異常例(要管理もしくは三次紹介例)は小学生1例(スクリーニングの4%)と中学生22例(32%)だった。小学生の二次へのスクリーニング理由は、IRBBB 9例 (ASD 1例)、ST低下3例、低電位差3例、高電位差3例、PAC 1例 (管理不要)、他5例だった。中学生は、QT延長疑い21例 (三次へ10例)、ST低下13例(三次へ2例)、平低T 7例、WPW症候群4例 (E管理4例)、左室肥大疑い4例(AR1度 1例)、PVC 3例(E管理3例)、AV block疑い2例(2度AV block 1例)、Brugada様心電図2例(三次へ1例)、CRBBB 1例(管理不要)、PAC 1例(管理不要)、他10例だった。【考案および結論】自動解析外二次例は中学生で特に異常例が多かった。心筋疾患の可能性を考慮され二次検診へスクリーニングされた例における異常例は少なく、QT延長を含め不整脈での異常例が多いことが特徴と考えられた。心検心電図判読における自動解析は有用であるが、自動解析のみでは不十分であることが示された。自動解析が正常でもQT延長やWPW症候群、PVC、AV blockなどを見落とさないように注意が必要である。