[I-P-144] 学童検診における小児心電図の導出追加胸部誘導の計測値の分布
キーワード:心電図, 学童検診, 導出心電図
【背景】小児の心電図検査では、標準12誘導に加えV3R,V4R,V7誘導を用いることが多い。しかし、学童検診では標準12誘導検査を実施することはあっても付加誘導の検査は行われていない。この付加誘導の健常者での計測値の分布についての報告は少ない。また、導出18誘導心電図の小児におけるV3R,V4R,V7誘導での一致度については、昨年の小児循環器学会にて報告したとおり比較的高い。そこで、学童検診の心電図を使用して標準12誘導心電図から導出した付加誘導心電図の計測値の分布を評価する。【目的】学童検診の標準12誘導より導出した追加誘導の計測値の分布について検討を行う。【対象と方法】対象は長野県で2006年に学校心臓病健診で収集した標準12誘導心電図データで、小学1年:8371件、4年:4030件、中学1年:7894件、高校1年:10015件の4集団とする。標準12誘導心電図より導出した付加誘導から今回は、V3R,V4R誘導とV1誘導の3誘導のR,S振幅、QRS振幅についての検討を行う。【結果】R振幅、QRS振幅はいずれの誘導も年齢が上がるにしたがい小さくなる傾向にある。S振幅は7歳から10歳では大きくなるが、10~13,16歳となるに従い小さくなっている。また、すべての年齢群においてR振幅、S振幅、QRS振幅全てV1,V3R,V4Rの順に小さくなる傾向にある。しかし、正常心電図を呈する個人でも、V1よりV3R,V4Rの振幅が大きくなる被験者各年代群で一定の数いる。【結語】今回は2006年のデータをまとめたが、他の年代のデータも同様にまとめ、傾向を見ていきたい。