第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

Presentation information

ポスター

1-19 学校保健・疫学・心血管危険因子

ポスター
学校検診②

Thu. Jul 16, 2015 5:20 PM - 5:44 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:高木 純一 (たかぎ小児科・心臓小児科)

I-P-147~I-P-150

[I-P-148] 省略4誘導心電図と2点心音図の心臓検診でみつかった心疾患―小学生30万人と中学生10万人の検診結果―

冨田 安彦 (兵庫県予防医学協会 健診センター)

Keywords:学校心臓検診, 省略4誘導心電図, 心音図

【背景】近年、学校心臓検診の一次検査で12誘導心電図が必須との勧告や、心音図検査は不要との意見がみられる。【目的】今後の比較検討のため、一次検査が省略4誘導心電図と2点心音図の検診結果を報告する。【方法】H4年から22年間の小学1年生302,372名とH17年から9年間の中学1年生107,637名の二次検診結果を集計した。【結果】1,000人あたりの心室期外収縮は小学生と中学生で各3.0と6.7人、房室ブロックは0.4と1.0人、WPW症候群は1.4と2.2人、QT延長は0.4と1.2人、ブルガダ型心電図は0.1と0.1人であった。疑い例を含め1万人あたりの、肥大型心筋症は小学生と中学生で各0.5と2.0人、拡張型心筋症は0.4と0.3人、左室心筋緻密化障害は1.1と1.1人であった。新たにみつかった器質的心疾患の中での心音図単独抽出例は小学生と中学生で、ASDは各104人中6人(6/104)と26人中4人(4/26)、AVSDは2/7と0/1、VSDは3/12と1/1、PDAは2/13と0/2、大動脈縮窄は2/8と0/0、修正大血管転位は1/8と0/0、肺動脈弁疾患は26/48と9/16、大動脈弁疾患は12/32と3/25、僧帽弁疾患は29/58と19/24で、小、中学生とも約30%を占めていた。重症例は小学生に多くみられた。【考察】12誘導心電図では心音図検査の施行は困難となり先天性心疾患の見落としが予測され、S60年から小学生と中学生は省略4誘導心電図と2点心音図が採用された。一方、高校生は当初から12誘導心電図単独であった。小学生は心音図の記録が必須かもしれないが、中学生は今後12誘導心電図単独心検診との比較検討が必要と思われた。【結論】省略4誘導心電図で診断された心電図異常や心筋疾患と、心音図所見単独で新たにみつかった器質的心疾患の頻度と種類について述べた。