第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

1-09 集中治療・周術期管理

ポスター
周術期:評価

Thu. Jul 16, 2015 4:50 PM - 5:20 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:富松 宏文 (東京女子医科大学)

I-P-151~I-P-155

[I-P-153] 先天性心疾患術後管理におけるINVOS(In Vivo Optical Spectroscopy)の使用経験

浅井 英嗣, 橘 剛, 松居 喜郎 (北海道大学大学院 循環器呼吸器外科)

Keywords:術後管理, INVOS, 小児循環器外科

{はじめに}先天性心疾患患者において術後集中治療室での管理は手術同様に非常に重要な治療過程である。今回新たな術後循環動態の指標としてINVOSを使用したので報告する。INVOSはセンサー直下の局所的な酸素飽和度(regional oxygen saturation:rSO2%)が算出されるようになっている。INVOSによって求められるrSO2%を使用する事で現在進行の循環動態の評価をより確かなものとすることが出来ると考えた。{対象と方法}対象症例は2013年12月から2014年7月までに当科で行った先天性心疾患術後症例20例(Fontan手術3例、BDG4例、ICR9例、Palliation4例)。頭部(前額部)と腹部(臍下)にINVOSセンサーを貼りICU入室時、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、以降はICU退出までの12時間毎の経時的なINVOS(頭部/腹部)値を測定し循環動態を評価した。尚、本臨床研究は当院倫理委員会の承認を得て、症例毎に承諾をとって行った。{結果}検査は全例において合併症なく施行出来た。Averaged rSO2%とLacは相関がありセンシングの良好な症例においては血液ガス検査によるBE/Lacより鋭敏な循環動態の変化を反映する症例も経験した。ただし覚醒に伴う貪気などで腸管血流の評価は不安定となる傾向があった。{結語}先天性心疾患術後管理にINVOSを使用した。鋭敏な循環動態の指標となる症例も数例経験したが疾患毎にINVOS値の正常値も変わってくるものと考えられ今後症例を増やして疾患毎の正常値の検討が必要と思われた。文献的考察を加え報告する。