第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

2-01 外科治療

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総肺静脈還流異常 その他

Thu. Jul 16, 2015 4:50 PM - 5:20 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:根本 慎太郎 (大阪医科大学)

I-P-161~I-P-165

[I-P-163] 三心房心の外科治療

若松 大樹1, 佐戸川 弘之1, 藤宮 剛1, 横山 斉1, 桃井 伸緒2, 青柳 良倫2, 遠藤 起生2, 林 真理子2, 細矢 光亮2 (1.福島県立医科大学 心臓血管外科, 2.福島県立医科大学 小児科)

Keywords:三心房心, 外科治療, 総肺静脈還流異常症

【はじめに】三心房心は全先天性心疾患の0.1%を占める希少疾患である。総肺静脈還流異常症(TAPVC)と同様に重篤な肺うっ血と呼吸症状をきたすが、術前両者の鑑別が困難な例は、術中診断が重要である。外科手技上、TAPVCが心外から広い吻合を目的とするのに対し、三心房心では左心房内の十分な隔壁切除という違いがあるが、限られた視野の中で、左房内隔壁の同定は容易ではなく、心外穿通の危険性もある。当院で経験した4例の三心房心の手術例を報告する。【症例】症例1:日齢15. 体重2200g. Lucus-schmdit(以下LS) type IB2, 肺うっ血と呼吸不全で搬送され緊急手術。心外からAccessary chamber(AC)とTrue chamber(TC)の連続性を確認し三心房心と診断。PFO越しにTCに到達。右上肺静脈から挿入した消息子を頼りにACを同定。後隔壁を切除した。症例2:生後3ヶ月の女児。体重4360g. 哺乳力低下、活気不良で搬送。ACとTC間の交通孔狭小化に伴い、搬送後ショック、緊急手術。LS type 1A. 心房中隔切開で、TCに到達。同様の手技で構造を把握し、後隔壁切除を行った。症例3:6歳男児。完全右脚ブロックを指摘され精査。LS type 1A. 心房中隔切開でアプローチし、ACに到達。左右肺静脈を確認。TCへの交通孔を同定し、隔壁切除を行った。症例4:生後1か月の男児。体重 3370g. LS type 1B1. 哺乳力低下と多呼吸で入院後、心不全となった。心室中隔欠損、大動脈縮窄を合併。術前状態を勘案し、Subclavian flapによる大動脈修復、肺動脈絞扼を先行し、一週間後に心内修復を行った。ASDを横切る形で隔壁を認め切除したが、僧帽弁側にもう一つ隔壁を認め切除した。VSDはパッチ閉鎖した。4例とも無事退院した。【まとめ】三心房心は緊急手術となる場合も多く、術中TAPVCとの鑑別と心内構造把握がより重要である。肺静脈から直接消息子を挿入することがAC構造評価に有用であった。また隔壁は複数存在することもあり注意を要する。