第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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2-03 外科治療遠隔成績

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HLHS、Co/A (bil. PAB)

Thu. Jul 16, 2015 5:20 PM - 5:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:竹内 敬昌 (岐阜県総合医療センター)

I-P-166~I-P-170

[I-P-166] 半閉鎖クリップにより両側肺動脈絞扼術を施行した5例の経験

尾崎 晋一, 平田 康隆, Nirmal Panthee, 有馬 大輔, 益澤 明広, 高岡 哲弘, 小野 稔 (東京大学 心臓外科)

Keywords:両側肺動脈絞扼術, 半閉鎖クリップ, 左心低形成症候群

左心低形成症候群(HLHS)などの、高肺血流をきたす動脈管依存性心疾患に対し、姑息術として両側肺動脈絞扼術(bil.PAB)が選択されることがあるが、一般的にはePTFEパッチを短冊状に裁断して糸をかけて絞扼する方法がとられている。しかし糸をかける位置のわずかな違いにより肺血流が大きく変わり微調整が困難なことがある。当院では2013年4月より半閉鎖クリップを用いてbil.PABを行っている。これはapplierにstopperが付いており、1.2、1.4mmの径で血管が半閉鎖できるものである。この半閉鎖クリップを用いて、2013年4月から2014年12月までbil.PABを5例施行した。内訳は、HLHSが3例、総動脈幹症が1例、大動脈縮窄症・心室中隔欠損症(CoA/VSD)が1例であった。HLHS症例の内1例は心房間交通がなく、人工心肺下に心房中隔欠損孔作成術を行い、その際にbil.PABを施行した(手術時間88分、人工心肺時間27分)。施行時の平均日齢は10±6.9日で、平均体重は2.1±0.6kg(1.3-2.8kg)であった。平均手術時間52.5±8.7分(人工心肺症例を除く)であった。また絞扼径について、HLHS症例の内の1例のみ右PAを1.2mm、左PAを1.4mmで絞扼したが、それ以外の症例は両側とも1.4mmで絞扼した。すべての症例で現時点まで追加の絞扼径調整が必要な症例はなかった。CoA/VSD症例は生後2ヶ月で根治術を行った。またHLHS症例の内1例は生後1ヶ月でNorwood手術を施行しGlenn待機中、もう1例は生後1ヶ月でNorwood手術を、6ヶ月児にGlenn手術を施行しFontan待機中である。半閉鎖クリップは絞扼径は完全に決定されるため、手術時の血圧や肺血管抵抗などの変動に依存せず、適切な絞扼を行えると考えられる。