[I-S01-02] Heterotaxy Syndromeの胎児診断:短期予後予測因子の検討
キーワード:Herterotaxy syndrome, fetal echocardiography, short term outcome
【背景】Heterotaxy syndrome(HS)において胎児超音波検査(FE)を用いた出生前診断は予後を改善しないとされる。一方HSの出生後所見での予後関連因子は広く知られている。【目的】FEによるHSの短期予後関連因子を検討すること。【対象・方法】2011年1月1日~2014年12月31日に当院にてHSと診断された胎児死亡も含めた新生児例のうち、FEを施行された19例。患者背景、FEによる生後診断所見の感度と特異度、FEによる予後関連因子について、診療録より後方視的に調査検討した。【結果】FEは中央値30週2日(範囲19週1日~37週6日)で施行、対象19例中生存出生17例、出生週数は38週6日(32週3日~41週2日)、出生体重は2652(2096~3936)g、男性12例。生後診断は左側相同(LI)6例、右側相同(RI)11例で、15例(88%)が機能的単心室。動脈管依存は8例(47%)で、新生児期手術介入は10例(59%)。観察期間は13ヶ月(0日~43ヶ月)で、死亡6例(35%)。FEによる生後診断所見の感度と特異度は、RI:感度91%、特異度100%、LI:85%、100%、右室流出路狭窄: 100%、87%、中等度以上の房室弁逆流:50%、60%。右胸心、下大静脈欠損、心外肺静脈還流異常、肺静脈狭窄、共通房室弁、両大血管右室起始、左室流出路狭窄、完全房室ブロックは感度、特異度ともに100%であった。FE所見による予後推測では、RI、LI、右胸心、共通房室弁、両大血管右室起始、右室流出路狭窄、左室流出路狭窄、心外総肺静脈還流異常、中等度以上の房室弁逆流の有無は有意でなく、肺静脈狭窄、完全房室ブロックが有意な関連因子であった。【考察】HSの予後関連因子として知られるは、胎児診断でも有意な予後関連因子であった。房室弁逆流に関しては胎児診断の感度、特異度が低く、出生後の変化が考えられた。【結語】HSにおいてFEでの肺静脈狭窄、完全房室ブロックが予後関連因子であった。