第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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要望演題

1-05 画像診断

要望演題1
画像診断

Thu. Jul 16, 2015 10:00 AM - 10:50 AM 第4会場 (1F ジュピター)

座長:
高橋 健 (順天堂大学)
近藤 千里 (東京女子医科大学)

I-YB1-01~I-YB1-05

[I-YB01-01] マルチスライスCT3次元画像情報から3Dプリンティング技術を応用して作成する「先天性心疾患診断用精密心臓レプリカ」の有用性に関する臨床研究の評価項目について

白石 公1, 黒嵜 健一1, 神崎 歩2, 帆足 孝也3, 鍵崎 康治3, 市川 肇3, 畑中 克宣4, 竹田 正俊4,5, 中沢 一雄5 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器部, 2.国立循環器病研究センター 放射線部, 3.国立循環器病研究センター 小児心臓外科, 4.株式会社クロスエフェクト, 5.国立循環器病研究センター研究所 研究情報基盤管理室)

Keywords:MSCT, 3Dプリンター, 手術シミュレーション

[背景]我々は、MSCT 3次元画像からレーザ光線を利用した精密3Dプリンターである光造形法とそれに続く真空注型法を組み合わせることにより、心臓外部だけでなく内部構造も詳細に再現した軟質の精密心臓レプリを作成し、対象患者の年齢に合わせた様々な質感を再現することが可能になった。本品が先天性心疾患の臨床現場で広く応用され、患者の正確な病態把握と手術成績の向上に寄与するためには、その品質および正確性を十分に確保し、医療機器として認可される必要がある。今回は心臓レプリカが医療機器として認可されるために、その正確性および有用性を評価する研究デザインを決定した。 [対象と方法]心臓レプリカの評価に適し比較的発症頻度の高い、ファロー四徴(心室中隔欠損兼肺動脈閉鎖を含む)、両大血管右室起始、完全および修正大血管転位、大動脈離断および縮窄4疾患群を対象とする。症例は4疾患群で15例とする。[結果]我々の施設の医療機器開発プロジェクトチーム(MEDICI Project)とともに、心臓レプリカの医療機器妥当性の判断に必要な詳細な評価項目を設定した。1)小児循環器医による評価:a心臓レプリカによる再現性の評価(26項目)、b心臓レプリカの診断の有用性(4項目)、2)心臓外科医による評価:a実心臓に対する心臓レプリカの再現性評価(40項目)、b心臓レプリカのシミュレーターとしての評価(5項目)、c心臓レプリカの手術後の評価(7項目)、以上の評価項目を各々5段階評価で行うこととした。実際のレプリカ評価は現在進めているところである。[結論]心臓レプリカは直接患者に用いられることはないが、対象となる患者は、外科処置を取らなければ生命に影響を及ぼす臨床状態にある重度の先天性心疾患である。本品は、診断の補助のみならず治療方針の決定および術前の術式決定を行う目的でも使用するため、本臨床研究により医療機器の妥当性を検証する予定である。