[I-YB03-01] 先天性心疾患に対するカテーテル治療デバイスの医師主導治験;CPステント医師主導治験の経験から
Keywords:医師主導治験, ステント, 肺動脈狭窄
【背景】先天性心疾患に合併した大血管狭窄に対するステント留置は確立した手技である。欧米では大動脈縮窄(CoA)を適応症として承認されたステントはあるが、国内外とも肺動脈狭窄(PS)を適応症として承認されたステントはなく、国内では限定した症例を対象として適応外使用の状態が続いている。【目的】CPステントを治験機器とした医師主導治験の経験から、先天性心疾患に対するカテーテル治療デバイスの治験における課題を考察すること。【方法】CoAを適応としてCEマーク取得しており、FDAで治験が進行中であることから、PSを対象としたCPステントの医師主導治験を企画した。【結果】2012年3月、先天性心疾患に対するステントの保険適応取得を目指すためのワーキンググループを設立し、PSを対象としたCPステントの医師主導治験を行うことを目指した。同年4月、平成24年度、日本小児科学会より治験候補機器としてCPステントを推薦された。6月、PMDAと薬事戦略相談事前面談を経て、治験のために研究費獲得のため日本医師会治験促進センターに対し治験計画に関する研究を申請し採択された。8月からPMDAと医療機器治験相談事前面談、薬事戦略相談対面助言、医療機器治験相談対面助言を経て2013年6月、治験促進センターに対して治験の調整・管理に関する研究を申請し、7月の治験推進評価委員会による評価を経て研究費が採択された。治験実施計画書等各種の文書を確定後、2013年9月から治験実施施設とミーティングを行い、各施設のIRBを経て2014年5月、治験開始届けを提出。7月から症例登録を開始した。【考察と結論】小児循環器疾患のカテーテル治療に用いるデバイスは対象疾患が希少疾患であることからRCTが成り立ちづらい。国内で適応外使用が定着している場合もあり、一層治験の成立を困難としている。海外データによる承認申請システム、承認申請にいたるステップが類似している国との国際共同治験などの検討が望まれる。