第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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要望演題

1-07 カテーテル治療

要望演題3
カテーテル治療

Thu. Jul 16, 2015 11:00 AM - 11:50 AM 第5会場 (1F アポロン A)

座長:
大月 審一 (岡山大学病院)
小林 俊樹 (埼玉医科大学国際医療センター)

I-YB3-01~I-YB3-05

[I-YB03-04] 左心低形成症候群フォンタン到達率向上のための Modified hybrid strategy

葭葉 茂樹1, 小林 俊樹1, 安原 潤1, 清水 寛之1, 熊本 崇1, 小島 拓朗1, 住友 直方1, 鈴木 孝明2, 枡岡 歩2, 宇野 吉雅2, 加藤木 利行2 (1.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科, 2.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓外科)

Keywords:HLHS, Hybrid stage 1, PABs

【背景】HLHSに対するHybrid stage 1(両側肺動脈絞扼術PABs,動脈管ステントPDAS) は退院を可能とし,生後5-6ヶ月のStage 2 Norwood + BDGを想定したpalliationである.しかしNorwood手術を乳児期早期に行う症例がある.【目的】症例毎に至適な“Modified hybrid strategy”を考える.【対象】当院でHybrid stage 1を行った16例.大動脈閉鎖(AA) 7例,大動脈狭窄 (AS) 9例.【方法】Hybrid stage 1でのPABs周径,Stage 1後の逆行性大動脈弓狭窄 (RAAO),心房間狭小化が,inter-stageおよびStage 2以降の経過に影響を与えたかどうかを後方視的に検討.【結果】・Inter-stage Norwood 6例 (AA, AS : 50, 33%, p 0.05*),Norwood + BDG 6例 (29, 45%, p 0.08).・Hybrid stage 1周術期生存率94%.Stage 2到達率50% (AA57, AS44%).Fontan到達率31% (29, 33%),最終生存率50% (14, 67%, p 0.05*).・PABs周径AA : 10.8 (8.5-12mm).re-PABs 1例 (周径12mm),術後N2使用1例 (周径11.8mm).いずれもNorwood後LOS.AS : PABs周径11.4 (10-12.5mm),re-PAB 1例.・RAAOに対するstent strutバルーン拡張,AA 1例 (Stage 2後右心不全でECMO管理).AS 2例 (Stage 2後高SVC圧1例) .・AS死亡3例中2例は心房間狭小例.【考察】・AAでは5-6ヶ月時のNorwood + BDGは難しく,Hybrid stage 1後の心機能低下,TR悪化を防ぐため,PABsをASよりtightにする.・RAAOの出現を回避するためstent jailは最低限にする.大動脈側のPDA組織をstentがカバーできない可能性があるので,inter-stage Norwood前後でCoAに対するインターベンションを積極的に行う.・酸素飽和度低下,RAAO出現がinter-stage Norwoodのタイミング.・BAS効果不十分な心房間狭小例には早期にstentを留置する.【結語】AAに対しよりtightなPABsを行い,Stage 2前にNorwoodを行うModified hybrid strategyにより,Fontan手術への到達率,生存率を向上させる可能性がある.