第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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要望演題

1-10 心筋心膜疾患

要望演題8
心筋炎

Thu. Jul 16, 2015 9:00 AM - 9:50 AM 第8会場 (1F シリウス B)

座長:
磯松 幸尚 (横浜市立大学)
森 一博 (徳島県立中央病院)

I-YB8-01~I-YB8-05

[I-YB08-05] 急性心筋炎合併完全房室ブロック症例4例の臨床経過と管理

中矢代 真美, 高橋 一浩, 鍋嶋 泰典, 差波 新 (沖縄県立南部医療センター・こども医療センター)

Keywords:心筋炎, 完全房室ブロック, 集中治療

【目的】小児の劇症型心筋炎症例のなかで完全房室ブロック合併例の特徴、臨床経過と管理について調査する。【方法】2008年1月から2015年2月まで当院小児集中治療室に入院した劇症型心筋炎20例のうち、完全房室ブロックを来した4例についてその臨床経過と管理について診療録を後方視的に調査した。【成績】ブロックを来さない劇症型心筋炎(以下N群)の平均年齢は6.2歳に対し、完全房室ブロック症例(以下B群)は11歳と優位に高かった。初診時のLVEFはN群平均30%に対しB群は61.5%, IVSd z scoreの平均はN群 3.2に対してB群は1.5。経過中最も低いEFはN群30%に対しB群27%と差はなかったがIVSd z scoreはB群のほうが正常値に近かった。B群は全例緊急ペースメーカー留置されたがペーシング時のQRS幅とEFに相関があり、ブロックのEF低下は炎症よりも心室内伝道による可能性が示唆された。初診時のCPK, CKMB平均値はN群890, 450に対してB群は600, 320と低い傾向があった。予後であるがN群は16例中7例が体外循環が必要となり、死亡・移植適応は3例であったのに対し、B群は全例体外循環使用せずに救命できた。平均6日間で洞性脈に戻った。【結論】完全房室ブロックを来す症例はそうでない劇症型心筋炎に比べて予後が良好であった。ブロック症例はIVSd, LVPWdのzscoreやCK, CKMBなどの炎症所見が少なく、炎症が限局していることが示唆された。