[II-O-02] Supra-Annular MVRを行った乳幼児の2例
Keywords:乳幼児, 僧帽弁, 弁置換術
【はじめに】乳幼児の僧帽弁機能不全で弁形成術が困難な症例では弁置換術が必要となるが、弁輪に対し過大な人工弁で僧帽弁置換術(MVR)を行うにはsize mismatch解消のための工夫を要する。今回、われわれはSungらの方法(Ann Thorac Surg 2008)に従い、径18mmのGore-Tex graft (長さ8mm)を人工弁(ATS 16mm)のスカートとして使用し、Supra-Annular MVRを行った2例を報告する。【症例1】5ヶ月、4.9kg、中間型AVSD(Severe MR)、mild CoA、Polyspleniaの女児。3ヶ月時にAVSD repairを行ったが、弁尖は結節状で形成に難渋した。術後、徐々にMSRが進行し、5ヶ月時にSevere MR、Moderate MSに対し、経中隔アプローチにてSupra-Annular MVRを施行した。僧帽弁輪は前後径10mmであった。術後8ヶ月目の心臓超音波検査では人工弁機能は良好であった。【症例2】1歳4ヶ月、6.7kg、Shone症候群、MS(parachute mitral valve)、Supravalvular mitral ring、CoA、VSDの男児。CoA repair、VSD閉鎖術後、徐々にMSが進行し、僧帽弁交連切開術を行ったが、Severe MSは残存した上にModerate MRが出現した。右側左房切開にてアプローチし、Supra-Annular MVRを行った。僧帽弁輪径は10x12mmであった。術後2ヶ月目の心臓超音波検査では人工弁機能は良好であった。【まとめ】今回行った方法によるSupra-Annular MVRは、乳幼児の狭小な僧帽弁輪に対し有用な手術手技であった。