[II-O-09] 当院で手術またはカテーテルインターベンションを行った、PVOを伴う単心室循環の治療成績
キーワード:単心室, PVO, 治療成績
【背景と目的】PVOを伴う単心室循環の予後は不良であるが、まとまった報告は少ない。当院において手術またはカテーテルインターベンションを行った、PVOを伴う単心室症例について治療成績をまとめ、今後の当院における治療介入について検討する。【方法】2005年1月より2014年12月までの10年間で、当院で介入をしたPVOを伴う単心室循環の16例を後方視的に検討した。【対象】単心室の内訳は、右側相同8例、HLHS4例、HLHS類縁疾患3例、総動脈管症+左室低形成1例であった。PAは3例であった。PVOの原因としてはTAPVD 11例(1a型 4例、1b型 3例、2a型 1例、3型 3例)、Cor triatriatum5例であった。このうちrestrictiveFO合併が 4例、intact atrial septum合併が2例であった。【結果】初回手術介入は、PVO解除+BTSが2例、PVO解除+PABが7例、PABのみが2例、ASDステント+PABが2例、静脈管ステント挿入が2例、肺静脈ステント挿入が1例であった。16例中12例(75%)を失っている。Glenn到達前の死亡が10例(63%)で、6例(38%)がGlennに到達し、このうち3例(19%)がTCPCに到達、1例がTCPC待機中である。TCPCに到達したもののうち、1例のみ良好なFontan循環を維持しており、1例はPLE発症、他の1例は気管切開、人工呼吸器管理、腸瘻栄養継続中である。高肺血流に至らなかったPSのある症例4例のうちGlenn到達は3例であった。出生後のエコーにてPV flowがflatであった4症例と、HLHSにPVOを伴った4症例は全例Glenn到達前に死亡していた。【結語】PVOを伴う単心室循環の治療成績は極めて不良であり、特にHLHSにPVOを伴う症例は手術介入やカテーテルインターベンションの適応について、更なる症例の蓄積を要する。