第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演

1-08 電気生理学・不整脈

一般口演-16
QT延長症候群

Fri. Jul 17, 2015 10:00 AM - 10:50 AM 第5会場 (1F アポロン A)

座長:
立野 滋 (千葉県循環器病センター)
泉田 直己 (曙町クリニック)

II-O-11~II-O-15

[II-O-11] 運動負荷試験における負荷開始時QTc測定についての有用性の検討

岡川 浩人 (地域医療機能推進機構滋賀病院 小児科)

Keywords:QT延長, 運動負荷心電図, 学校心臓検診

【目的】学校心臓検診のQTc延長に対する運動負荷心電図において、負荷終了後の心電図の有用性が報告されている。今回、運動負荷開始時のQTc測定と負荷終了後のQTc測定が、QTc延長のリスク評価に有用であるか、比較検討したので報告する。【方法】対象は2007年から2014年までに学校心臓検診でQTc延長と診断され当科で精査した50名(6歳3月-18歳1月、中央値12歳0月)。Bruce protocolによりトレッドミル運動負荷心電図検査を施行し、負荷前、負荷開始時、負荷終了直後、負荷終了後3分、6分のQTcの変化を検討し、QTcの変化がリスク検出に有効かを検討した。【結果】負荷開始時にQTcが延長しQTc延長診断基準を満たす症例は14例あり、負荷前に比べてQTcは有意に延長していたが、負荷終了後3分、6分時のQTcは負荷前と有意差は認めなかった。一方、負荷終了後にQTcが延長し診断基準を満たす症例は7例であったが、負荷前と比べて、QTcの延長は有意ではなかった。リスク層別化の検討では、QTc延長高リスク群の鑑別には、負荷開始時のQTc延長が有用であったが、負荷終了後は有用でなかった。【考察】従来の報告と異なり、今回の検討では、運動負荷終了後のQTcが安静時心電図QTcに比べて有意に延長しているという所見は得られなかった。一方、運動負荷開始時のQTc延長は安静時心電図のQTcに比べて有意に延長しており、高リスク群の検出にも優れていた。運動負荷心電図のQTc測定は負荷終了後だけではなく、負荷開始時のQTc延長についても検討するべきと考えられた。