[II-O-13] QT延長症候群における運動負荷によるQT/HR slope
キーワード:QT dynamics, provocative test, long QT type 3
【背景・目的】QT延長症候群(LQT)では、QTダイナミクスが異常であることが報告されている。運動負荷によるQTダイナミクスを検討する。【対象】遺伝子型が判明している未治療のQT延長症候群15名(LQT1型2名、2型2名、3型10名、7型1名)、及び不整脈精査のため運動負荷を施行した基礎心疾患やQT延長を認めないコントロール群15名の計30名。【方法】運動負荷中のQT時間を自動計測した。運動負荷は、最大心拍数までの負荷中、およびそれ以降の負荷後回復期の2相に分けて解析した。QT時間/心拍関係を線形単回帰して求めた傾き(QT/HR slope)からQTダイナミクスを評価した。結果:QT/HR slopeは、LQT群はコントロール群に比し有意に急峻であった :全運動負荷, -2.05 ± 0.59 vs. -1.14 ± 0.26, p<0.0001;運動負荷中(Ex)、-2.11 ± 0.70 vs. -1.18 ± 0.31, p<0.0001;回復期、-1.99 ± 0.50 vs. -1.12 ± 0.25, p<0.0001。QT/HR slopeは、LQTサブタイプ(LQT3 vs.non-LQT3)間で差がなかった。結語:運動負荷によるQTダイナミクス評価により、LQT群を鑑別できる可能性があり、遺伝子検査適応のスクリーニングに使用できると思われる。但し、この方法では、LQTサブタイプを鑑別はできなかった。