第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演

1-08 電気生理学・不整脈

一般口演-17
カテコラミン誘発性多形性心室頻拍症

Fri. Jul 17, 2015 11:00 AM - 11:50 AM 第5会場 (1F アポロン A)

座長:
堀米 仁志 (筑波大学)
高橋 一浩 (沖縄県立南部医療センター・こども医療センター)

II-O-16~II-O-20

[II-O-18] カテコラミン感受性多形性心室頻拍CPVTに対する当院での治療経験

倉岡 彩子1, 牛ノ濱 大也1, 井福 俊充1, 中村 真1, 佐川 浩一1, 石川 司朗1, 住友 直方2, 大野 聖子3, 堀江 稔3 (1.福岡市立こども病院 循環器科, 2.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科, 3.滋賀医科大学 循環器内科)

Keywords:CPVT, リアノジン受容体, フレカナイド

【背景・目的】CPVTは交感神経の緊張により多形性心室頻拍(PVT)や心室細動(Vf)を生じる。CPVTに対し直接リアノジン受容体(RyR2)に作用するflecainide:FLが有効と報告されている。当院でのFLを中心とした薬物治療経験を報告する。【対象】5例のCPVT患者(受診時年齢/性 1:14歳/男、2:15才/男、3:9才/女、4:14才/男、5:12才/女)である。初発時症状/年齢は1:Vf/14才、2:失神/3才、3:失神/1才、4:失神/12才、5:失神/9才で、全例RyR2遺伝子変異を認めた。3はcopy number variationによる変異であった。家族歴は、3の母親に同遺伝子変異があり、4・5は兄妹例で父に体細胞性モザイクを認めた。【治療経過】1:プールで心肺停止となり除細動施行された。トレッドミル運動負荷(TM:Bruce)でVPC(単形性、二段脈)のみで、特発性VfとしてVPCを標的にアブレーションを施行した。その後carvedilol:CAを開始した。CA20mgのみでは二段脈(TM:Stage4/9分45秒)が抑制できず、FL100mgを加えてVPC(TM:Stage5/12分30秒)が消失した。2:トイレで心停止となり除細動施行。TM:Stage2/4分でPVTを認め、CA30mg+FL200mgでVPC多形、2連発(TM:Stage3/7分30秒)までに抑制でき症状なし。3:完全房室ブロック、失神のため紹介。TM:Stage3/8分5秒でPVTを認めた。左室緻密化障害あり。ペースメーカーを埋め込み後にCA20mg開始、FL200mgを加えVPC多形・2連発残存(TM:Stage3/6分30秒)するが症状なし。4:失神を繰り返しTM:Stage4/7分30秒でPVTみられFL100mgを開始。PVT抑制(TM:Stage5/14分)されるが、運動制限が守れず失神あり、CA2.5mg+FL150mg内服に増量中。5:失神あり、TM:Stage3/7分30秒でPVTみられFL100mgを開始。TM:Stage4/12分でPVC単形・2連発に抑制され、CA2.5mg+FL150mg内服に増量中。全例ICDなし。【まとめ】FLと、筋小胞体からのCa2+放出を調節するβブロッカーであるCAを組み合わせることによりCPVTに有効である可能性がある。