[II-P-010] 地域小児科センターにおける、小児科医の動向-病院小児科は存続できるか?-
キーワード:女性医師, 当直, シフト制
【はじめに】小児入院医療加算1,2を算定するために、「勤務医の業務負担の軽減」を行わなければならない。当院を含む地域小児科センターに認定される小児科のほとんどがこの加算を算定している。当直明けの休養の確保、チーム主治医制、シフト制導入などが業務負担の軽減とされている。小児循環器領域と女性医師を論議する前に、現在の若手小児科医はどのようなキャリアを送っているのかを捉えるため、日中の病児保育、24時間365日の保育所・学童保育を有し、医師の勤務はチーム主治医制・シフト制を開設当時から導入している当小児医療センターの小児科医の動向を検討する。なお、小児科勤務中、妊娠出産を経験した女性医師は全員産休・育休を取得している。【対象と方法】当小児医療センターに勤務経験を有する小児科医35(男24,女11)人を対象とし、当院勤務後の履歴を検討する。【結果】現在、当院に勤務している医師は11(7,4)、退職者は35人であった。退職者24人中、当直をする常勤職として勤務9(7,2)、開業3(2,1)、当直のない個人診療所の勤務医5(3,2)、当直の無い病院勤務医5(5,0)、時短勤務2(0,2)であった。30歳代で当院を退職した者15名の履歴を検討すると、当直のある施設への異動が6(4,2)、当直がない施設へ移動したものが9(5,4)であった。【結論】理想といわれる環境を作り出しても、現代の小児科医は30歳代で男女とも夜勤・当直を忌避する傾向があり、環境を整備するのはもちろんであるが、「医師は公的存在である」という教育をしっかりとし、チームで責任を分け合ってでも24時間365日患者に責任を持つのが医師の務めであることを認識させなければならない。