第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-03 胎児心臓病学

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胎児心臓病②

Fri. Jul 17, 2015 2:20 PM - 2:56 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:清水 達雄 (北摂総合病院)

II-P-016~II-P-021

[II-P-017] 胎児VSDの胎内自然閉鎖例の検討

岡崎 三枝子, 島田 俊亮, 山田 俊介, 豊野 学朋 (秋田大学大学院医学研究科医学部 小児科学講座)

Keywords:胎児心エコー検査, 胎児VSD, 胎内VSD自然閉鎖

【はじめに】胎児心エコースクリーニング検査により心疾患の胎内診断率の向上しているが、胎児心室中隔欠損症の胎内における自然閉鎖についての知見・報告はわずかである。今回秋田県内二次病院においてレベル1の胎児心エコースクリーニング検査を行い、胎内における胎児心室中隔欠損症(胎児VSD)の自然閉鎖について検討したので報告する。【方法】県内二次病院産婦人科にて妊娠20週以降に小児循環器医による胎児心エコースクリーニング検査を行った。里帰り出産の症例に対しては妊娠34週以降に初回検査を行った。初回検査は1回5分程度、レベル1の胎児心エコー検査を行い、スクリーニング陽性症例に対しては、満期に初回検査を施行した症例以外は、1カ月の間隔をあけて2回目の胎児心エコー検査を行った。胎児VSDはB-mode, カラードプラ法でいずれも陽性所見を認めた場合に診断した。出生後、新生児早期に経胸壁心エコー検査を施行し最終診断とした。【結果】平成25年5月より平成26年12月までの20か月間に計210件、計201症例に対し胎児心エコー検査を行った。そのうち里帰り分娩41例、母体基礎疾患12例、心疾患の家族歴2例、Marfan症候群の家族歴1例。胎児心異常はVSD7例(うち1例は胎児心筋壁高輝度の所見あり)、動脈管早期閉鎖傾向2例の計9例。胎児VSD症例はいずれも径1-3mm台の欠損孔で、1例が出生後small VSDと診断、8例は出生後の心エコー検査で異常なく、生後1か月健診でも異常を指摘されなかった。心筋壁高輝度であった胎児VSD症例は出生後心臓腫瘍を認め、結節性硬化症の診断に至った。【考察】胎児VSDの胎内での自然閉鎖症例について2000年にPaladiniらが報告しており、経3mm以下の胎児VSDの胎内自然閉鎖率を52.6%と報告しているが、診断後terminationは約3割と高く、正確な自然閉鎖率は不明である。胎児VSDは胎内においても出生後と同様に高い自然閉鎖率を有するものと考えられる。