[II-P-020] 卵円孔早期閉鎖、狭窄を伴った左心系心疾患の予後
Keywords:卵円孔早期閉鎖, 胎児心疾患, 左心低形成症候群
【背景】左心低形成症候群(HLHS)を中心とする左心系の疾患は卵円孔の開存が生命に必須である。出生前ないし出生直後に卵円孔早期閉鎖、狭窄と診断した4症例について報告する。【症例1】病名:HLHS。在胎35週1日に胸水を指摘され胎児診断。前期破水あり36週2日帝王切開にて出生。出生体重2754g、Apgar1分1点5分2点であった。出生後に卵円孔早期閉鎖と判明し緊急BAS施行も治療途中で失った。【症例2】病名:HLHS。他院にて出生。チアノーゼ強くショック状態であった。HLHS、卵円孔早期閉鎖と診断。緊急BASを施行し成功したが手術適応を得る事なく失った。【症例3】病名:大動脈弁欠損。在胎29週2日胎児水腫のため初診。大動脈弁は認めず卵円孔は1.7mmと狭小化、ARsevere、MRsevere、左心室機能低下によるcircular shuntを生じた大動脈弁欠損と胎児診断。34週0日、variabilityが乏しくなり帝王切開にて出生、推定体重1800g、Apgar1分値3点5分5点であった。Ope室を移動しASD creation、MV closureを施行。生後から人工心肺開始まで23分であった。しかし、体外循環から離脱できぬまま日齢4に失った。【症例4】病名:HLHS。在胎20週5日、critical AS、massive MRと胎児診断。その後A弁の順行性flowが確認できなくなりHLHSに移行し卵円孔もrestrictive となった。37週4日、帝王切開にて出生。推定体重3000g、Apgar1分値4点であった。Ope室を移動しASD creation、MV closure、両側PABを施行。生後から人工心肺開始まで34分であった。日齢100日にDKS、PAdebanding、m-BTSφ3.5mm、TVP施行したがLOSで失った。【考察】卵円孔開存が必須の左心低形成を中心とする疾患群は出生直後より状態悪化の可能性があり詳細な胎児診断が必須である。しかし、出生前から診断できた症例は計画的に手術を施行する事が出来たが、皆重症であり生存退院は出来なかった。