[II-P-024] 同時二方向の観察による大動脈弓の胎児スクリーニング
キーワード:胎児診断, 大動脈縮窄, biplane
【背景】大動脈縮窄症・離断症は、動脈管性ショックを発症するため胎児スクリーニングの必要性が高い。しかし、胎児診断率は低い。【目的】正側二方向の断層画像を同時に観察する方法(Biplane)で大動脈弓をスクリーニングする方法の有用性を検討する。【対象・方法】1)STIC-Biplane法: 4D Viewで解析した。3 vessel trachea viewで大動脈弓を描出し、大動脈弓が垂直の方向に来るようrotation Zを使って画像を回転,A断面でドットを大動脈弓に一致させるとB断面で大動脈弓の長軸断面を描出できる。正常心30例、大動脈縮窄症15例、大動脈弓離断5例を対象に解析した。在胎週数は20週から40週、中央値30週であった。BモードSTICとカラードプラーSTICのデータを使用した。50例中高画質群)は30例、低画質群)は20例であった。2)Biplane法: BiPlaneを使い、3 vessel trachea viewで大動脈弓を描出し、大動脈弓が垂直の方向に来るようプローブの位置を移動させる。A断面でカーソルを大動脈弓の長軸に一致させるとB断面で大動脈弓の長軸断面を描出できる。正常例20例、大動脈縮窄症5例を対象とした。Bモードエコーとカラードプラーで観察した。【結果】STIC Biplane法では、高画質群のBモードSTIC全例で、大動脈弓は明瞭に観察できた。低画質群は観察不明瞭であった。カラーSTICデータを使ったSTIC Biplane法では高画質群であっても、大動脈弓の観察は不可能であった。Biplane法ではすべての症例で大動脈弓は二方向で明瞭に観察可能であった。また、カラードプラーでも、大動脈弓は二方向で明瞭に観察可能であった。【考察】STIC Biplane法では、高画質のBモードSTICに限って2方向で観察可能であったが、低画質のデータやカラーSTICをでは大動脈弓の観察は困難であった。BiPlaneでは全例で大動脈弓の観察が可能であった。【結語】Biplaneは簡便であり、大動脈弓異常の胎児スクリーニングに役立つ可能性がある。