第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-02 染色体異常・遺伝子異常

ポスター
染色体異常・遺伝子異常①

Fri. Jul 17, 2015 2:26 PM - 2:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:森崎 裕子 (国立循環器病研究センター研究所)

II-P-028~II-P-031

[II-P-029] RAF1遺伝子の変異(Thr260Pro)が明らかとなった,閉塞性肥大型心筋症に多源性心房頻拍を合併したNoonan syndromeの1乳児例

馬場 俊輔, 河内 貞貴, 藤本 義隆, 伊藤 怜司, 浦島 崇, 藤原 優子 (東京慈恵会医科大学 小児科学講座)

Keywords:Noonan syndrome, RAF1遺伝子, 多源性心房頻拍

【背景】Noonan症候群は特徴的な顔貌,体型,心合併症などを特徴とする先天性奇形症候群である.本症候群は多彩な非典型的症状を伴うため新生児期に臨床的診断をすることは難しいが,近年遺伝子解析に伴い様々な原因遺伝子が明らかになっている.今回,Noonan症候群の責任遺伝子の一つであるRAF1遺伝子のexon7に新たな遺伝子変異を認めた症例を経験したので報告する.【症例】症例は日齢0の男児.胎児期より羊水過多,単一臍帯動脈を指摘されていた.心疾患を含め家族歴はなかった.在胎38週2日,2880g,Apgar score8/9点(1/5分値)で出生となった.出生後より上室性期外収縮と陥没呼吸を認め,入院後の検査より,多源性心房頻拍,肥大型心筋症と診断した.眼瞼裂斜下,眼間解離,耳介低位,高口蓋などの特徴的な顔貌,心合併症よりNoonan症候群を疑い遺伝学的検査を施行した.その後,多源性心房頻拍に対しprocaineamide持続静注,propranolol内服開始後も治療に難渋し,amiodaroneを追加し管理可能となった.4か月時に左室流出路狭窄の増悪(2.5m/s)を認めたためCibenzolineを開始し経過観察中である.遺伝子学的検査ではRAF1遺伝子のexon7の1塩基置換によるミスセンス変異(c.778A>C.p.T260P)のヘテロ接合体を同定した.【考察】本症例は遺伝子学的検査で1塩基置換によるミスセンス変異のヘテロ接合体を同定し,特徴的な顔貌,心合併症よりNoonan症候群と診断した.RAF1遺伝子変異はNoonan症候群の約5%に認め,その80-95%にHCMを合併するとされている.一般に,Noonan症候群と不整脈との関係は言われていないが,RAF1遺伝子変異を伴うNoonan症候群では難治性の不整脈を合併することがあり,本症例に矛盾しない所見であった.【結論】Noonan症候群の責任遺伝子の一つであるRAF1遺伝子変異を伴う1症例を経験した.今回同定した変異は未報告であり,経過を含め報告する.