第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-05 画像診断

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画像MRI②

Fri. Jul 17, 2015 2:20 PM - 2:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:市橋 光 (自治医科大学付属さいたま医療センター)

II-P-037~II-P-041

[II-P-041] 測定法による心室容積特性の差の検討:MRI、3Dエコー、および心カテ時心室造影の比較から

羽山 陽介1, 大内 秀雄1, 森田 佳明2, 岩朝 徹1, 宮崎 文1, 矢崎 諭1, 黒嵜 健一1, 津田 悦子1, 山田 修1 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 2.国立循環器病研究センター 放射線診療部)

Keywords:心臓MRI, 心臓カテーテル検査, 3Dエコー

【背景・目的】従来のカテーテル造影(心カテ)での心室容積測定の他に、昨今リアルタイム3Dエコー(3DE)、心臓MRI(CMR)などでの容積測定の有用性が謳われる。ただその結果が大きく異なる例が存在し、検査間のvalidationを目的として本検討を行った。
【方法】対象は2010~14年の5年間で心カテ、3DE、CMRの3検査が90日以内に施行された先天性心疾患88例 (0.9~50.7歳)。心カテは心室造影からCAW 2000ソフトBiplaneにより、RVはGraham法(分割数10)、LVはChild法(Simpson)でEDV、ESV、EFを計測した。3DEはPhilips iE33 X3/7プローブによるfull volume画像をQLAB ver.9.1でオフライン解析した(LV解析のみ)。CMRは1.5T Siemens Sonata Symphony(coil 6ch)によるcine MRI (SSFP法, スライス厚 5mm/3mm)を、RVは主に横断像で、LVは短軸像で撮像し、syngo.MR, Argus applicationによるm-Simpson法で計測した。全計測はそれぞれ盲検的に、1検者(小児循環器医)によるmanual tracingで行なった。
【結果】検者内誤差(n=20)、検者間誤差(n=20)は、3DEの検者間誤差でのみ、他検者(auto-tracing)によるLVEDV, LVESVは有意に過小評価であった(それぞれ-28±4%, -30±7%、p<0.001)。心カテに比してCMRは、LVEDVを-4% (limits of agreement -13~5%, r=0.89) 過小に、LVESVを+5% (-10~20%, r=0.82) 過大に、LVEFを-3% (-5~-1%, r=0.79) 過小に、RVEDVを+30% (19~41%, r=0.90) 過大に、RVESVを+41% (26~56%, r=0.90) 過大に、RVEFを-5% (-9~-1%, r=0.69) 過小に評価した。心カテに比して3DEは、LVEDVを-6% (-18~6%, r=0.81) 過小に、LVESVを-2% (-10~6%, r=0.81) 過小に、LVEFを-1% (-3~1%, r=0.80) 過小に評価した。
【結論】術後を含む心室の肉柱部や流入出路がどのように映り、どこまでtraceするかが検者間誤差、モダリティ間誤差、ひいては施設間誤差を生む主原因となる。この点を加味しなければ計測値の比較は大きな齟齬をきたす。