第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-07 カテーテル治療

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カテーテル治療③

2015年7月17日(金) 13:50 〜 14:20 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:萱谷 太 (大阪府立母子保健総合医療センター)

II-P-053~II-P-057

[II-P-054] AVPIIにて加療を行った 遺伝性毛細血管拡張症(HHT)に伴う肺動静脈瘻(PAVM)の1例

松尾 倫, 三池 虹, 本田 啓, 八浪 浩一 (熊本市民病院 小児循環器内科)

キーワード:AVP II, PAVM, HHT

【はじめに】HHTでは効率にPAVMを合併する。PAVMは低酸素、奇異性塞栓、脳膿瘍、破裂などのriskから有症状のもの、流入動脈が3mm以上のものは積極的治療介入が望まれる。今回、低酸素血症・HHT家族歴からPAVM診断。コイルによる塞栓は困難と判断しAVPIIにて加療を行った症例を経験したため報告する。【症例】14歳女児。頭痛を主訴に受診。SpO2 88%、HHTの家族歴ありPAVM疑われ胸部CT施行しPAVM診断。同日施行した頭部MRIにて異常所見なし。PAVMは多発性でS9領域に10x10mm,9x9mmの2つの瘻を主としてその他大小多数(瀰漫性)の瘻が認められた。栄養血管はa9分枝から多岐に認められ流出血管はV9,10に認められた。V10に主に還流する10mmx10mm(栄養血管3mm)の瘻に対してTargetXL360 12mmx45cm,10mmx40cmを用い瘻内にて塞栓を行った後、V9に還流する瘻に対しては瀰漫性の広がりを認めコイルによる塞栓は手技的・時間的にも困難と判断しA9本幹7mmに対してAVPII10mmを留置することにより短絡血流はほぼ消失し酸素化の改善(SpO2 98%)が得られた。【まとめ】AVPは太く血流量が多い血管に対して非常に有用なdeviceであり本例の様な従来であれば区域切除を必要とするPAVM病変に対しても効果的かつ有効な治療手段と成り得る。