[II-P-055] 種類の異なる離脱制御型コイルを併用した側副血行路塞栓術
Keywords:側副血行路, コイル塞栓術, カテーテルインターベンション
【背景】先天性心疾患患者の術前、術後に見られる側副血行路は、血行動態に悪影響を及ぼすことが多い。経カテーテル的塞栓術が行われることが多いが、近年多彩な離脱制御型コイルが登場してきており、塞栓術の選択肢が増えている反面、コイルを有効に活用する方法ははっきりしていない。【目的】側副血行路塞栓術において複数種類の離脱制御型コイルを用いる利点を検討する。【方法】2010年1月より2014年12月までに愛媛大学医学部附属病院小児科にて側副血行路に対し経カテーテル的塞栓術を行った22例。動脈管開存および心外異常血管に対する塞栓術は除外した。診療録を用いて後方視的に検討した。【結果】患者の年齢は0-33(中央値2)歳、男性8例、女性14例。疾患内訳はファロー四徴、三尖弁閉鎖、左心低形成症候群、単心室、大血管転位、肺動脈閉鎖、心室中隔欠損がそれぞれ5、4、4、3、3、2、1 例であった。対象となった血管は動脈肺動脈シャント20例、体静脈肺静脈シャント2例、使用したコイルの種類と個数はOrbit 203個、Tornade 22個、Azur 17個、Ruby 9個、Target 1個、その他 6個で、合計258個、透視時間は44-134分（中央値67分）であった。Amplatzer vascular plug（AVP）のみを用いた症例が1例、AVPとコイルを併用した症例が1例あった。Orbitコイルのみを使用した群（O群）16例とOrbitとその他のコイルを併用した群（C群）3例を比較すると、使用コイル数、透視時間はそれぞれ4、15個、53.2、73.9分であった。【考察】複数種類のコイルを用いた群では有意差は認めなかったものの、透視時間が短い傾向にあった。タイプの異なるコイルを上手く用いることで、塞栓術の手技時間の短縮、患者での負担軽減が期待できる。