第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

1-08 電気生理学・不整脈

ポスター
ペーシング療法

Fri. Jul 17, 2015 2:20 PM - 2:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:坂口 平馬 (国立循環器病研究センター)

II-P-069~II-P-073

[II-P-073] 20歳未満で経静脈的に植え込んだ不整脈デバイスの検討

青木 寿明1, 平野 恭悠1, 中村 好秀2, 金川 奈央1, 豊川 富子1, 田中 智彦1, 河津 由紀子1, 濱道 裕二1, 稲村 昇1, 萱谷 太1 (1.大阪府立母子保健総合医療センター 小児循環器科, 2.近畿大学医学部 小児科)

Keywords:不整脈デバイス, 小児, 経静脈移植術

背景:今回小児期にペースメーカ (PM)、植込型除細動器 (ICD)を経静脈的(TV)に植え込んだ患者・デバイスの特徴、移植手技について検討した。対象と方法:2012年4月から2015年1月に二施設で施行した20歳未満でのTV-PM・ICD新規植え込みの患者を対象とした。年齢、体重、診断、移植手技、合併症について後方視的に検討した。結果:対象患者は12例(PM8例、ICD4例)であった。移植時年齢、体重の中央値はPMで11歳(最低6歳)、27kg(最低20kg)、ICDで13歳(最低12歳)、56kg(最低40kg)であった。不整脈診断は心室頻拍・細動4例、洞不全症候群3例、房室ブロック5例であった。心外膜リードからの変更は2例、PMからICDのアップグレードが1例認めた。全例全身麻酔で施行した。血管確保は2例で直視下腋窩静脈穿刺、それ以外は胸郭外穿刺あるいは腕頭静脈カットダウンで行った。手技時間は中央値204分(電気生理検査、腹部ジェネレータ抜去、除細動閾値テストを含む)であった。刺激閾値は中央値0.75V(0.5-1.0V)であった。合併症は12例中4例にみられ、静脈穿刺によるスパスムによる直視下穿刺への変更、感染によるデバイス全抜去、一過性の患側上肢の浮腫によるヘパリン投与、高除細動閾値によるsingleからdual coilへの変更であった。結語:PMでは体重20kg、ICDでは40kgあればTVで移植可能であった。閾値は良好であり、電池の長寿命が期待される一方合併症の率が高かった。今後血管閉塞などの長期的合併症についても検討が必要である。リードレスPM、皮下ICDなどの技術の進歩が期待される。