[II-P-073] 20歳未満で経静脈的に植え込んだ不整脈デバイスの検討
キーワード:不整脈デバイス, 小児, 経静脈移植術
背景:今回小児期にペースメーカ (PM)、植込型除細動器 (ICD)を経静脈的(TV)に植え込んだ患者・デバイスの特徴、移植手技について検討した。対象と方法:2012年4月から2015年1月に二施設で施行した20歳未満でのTV-PM・ICD新規植え込みの患者を対象とした。年齢、体重、診断、移植手技、合併症について後方視的に検討した。結果:対象患者は12例(PM8例、ICD4例)であった。移植時年齢、体重の中央値はPMで11歳(最低6歳)、27kg(最低20kg)、ICDで13歳(最低12歳)、56kg(最低40kg)であった。不整脈診断は心室頻拍・細動4例、洞不全症候群3例、房室ブロック5例であった。心外膜リードからの変更は2例、PMからICDのアップグレードが1例認めた。全例全身麻酔で施行した。血管確保は2例で直視下腋窩静脈穿刺、それ以外は胸郭外穿刺あるいは腕頭静脈カットダウンで行った。手技時間は中央値204分(電気生理検査、腹部ジェネレータ抜去、除細動閾値テストを含む)であった。刺激閾値は中央値0.75V(0.5-1.0V)であった。合併症は12例中4例にみられ、静脈穿刺によるスパスムによる直視下穿刺への変更、感染によるデバイス全抜去、一過性の患側上肢の浮腫によるヘパリン投与、高除細動閾値によるsingleからdual coilへの変更であった。結語:PMでは体重20kg、ICDでは40kgあればTVで移植可能であった。閾値は良好であり、電池の長寿命が期待される一方合併症の率が高かった。今後血管閉塞などの長期的合併症についても検討が必要である。リードレスPM、皮下ICDなどの技術の進歩が期待される。