第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-10 心筋心膜疾患

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心筋症②

Fri. Jul 17, 2015 2:20 PM - 2:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:安田 東始哲 (やすだクリニック)

II-P-079~II-P-083

[II-P-079] 先天性筋線維タイプ不均等症に拡張型心筋症を合併した3例

野崎 良寛, 加藤 愛章, 林 立申, 中村 昭宏, 高橋 実穂, 堀米 仁志 (筑波大学医学医療系 小児科)

Keywords:拡張型心筋症, 先天性筋線維タイプ不均等症, ミオパチー

【はじめに】先天性筋線維タイプ不均等症(Congenital Fiber-Type Disproportion: CFTD)は、骨格筋病理でType1線維がType2に比べ小さいことによる特徴づけられる先天性ミオパチーのひとつで、歩行可能なものから早期に人工呼吸器を要するものなど臨床症状は幅広いが、心合併症やそれに対する治療の予後への影響はわかっていない。【症例1】3歳女児。37週4日、2210gで出生。出生後より近位筋有意の筋緊張低下があった。心臓超音波検査では、収縮能を含め明らかな異常はなかった。出生後よりnasal CPAPを必要とし、生後4か月で気管挿管され以降人工呼吸器管理が必要であった。生後9か月で筋生検が施行されCFTDと診断され、ACTA1遺伝子にミスセンス変異M49V (c.145A>G )を認めた。3歳時努力呼吸が出現し、LVDd 43.5mm, EF 15%と心拡大、収縮能低下があり、拡張型心筋症(DCM)による心不全と考えられた。利尿薬やPDE3阻害薬を使用したが治療に反応なく死亡した。【症例2】15歳女児。36週5日、1848gで出生。出生時よりFS 20%と心収縮能低下があり、QT延長があった。精神運動発達遅滞があり2歳時の筋生検で、CFTDと診断された。経過観察でQT延長は消失したが、徐々に左室内腔拡大が進行しDCMと診断された。エナラプリルが開始され明らかな増悪はない。【症例3】17歳女児。症例2の姉。40週2日、2650gで出生。生後4か月で筋緊張低下を指摘され、先天性ミオパチーが疑われ、精神運動発達遅滞もあり2歳時の筋生検でCFTDと診断された。出生時に指摘されていたQT延長は消失したが、FS 27%と心収縮能は低下し、徐々に左室内腔は拡大しDCMと診断された。エナラプリルが開始され明らかな増悪はない。【まとめ】CFTDは疾患スペクトラムの広い症候群で、呼吸に対して行われた人工呼吸器管理により症状が出現せず重度に進行するまでDCMと診断されない例もあり、予後規定因子として心合併症への配慮が必要である。